セッション情報 一般演題

タイトル

Peginterferon α2b、Ribavirin併用療法中に赤芽球癆を生じ、免疫抑制剤の変更により改善した生体肝移植後慢性C型肝炎の1例

演者 松崎 寿久(長崎大学 消化器内科)
共同演者 市川 辰樹(長崎大学 消化器内科), 村岡 徹(長崎大学 消化器内科), 竹下 茂之(長崎大学 消化器内科), 小澤 栄介(長崎大学 消化器内科), 三馬 聡(長崎大学 消化器内科), 秋山 祖久(長崎大学 消化器内科), 宮明 寿光(長崎大学 消化器内科), 水田 陽平(長崎大学 消化器内科), 今西 大介(長崎大学 原研内科), 中尾 一彦(長崎大学 消化器内科)
抄録 症例は69歳女性。C型肝硬変、肝細胞癌に対して平成19年9月14日生体肝移植術を施行、免疫抑制剤はPrednisolone、Cyclosporin A、Mycophenolate mofetilで開始された。術後約5カ月後からHCV再感染(serotype 1、6.8 logIU/ml)に対しPeginterferon α2b(Peg-IFNα2b)、Ribavirin(RBV)併用療法を開始された。併用療法開始から16週後にHCV-RNAは2.7logIU/mlまで低下していたが、Hb6.2と貧血を認め、同日よりPegIFNα2b、RBVを中止された。しかし、17週後にはHb5.6とさらに低下したため輸血、エリスロポエチン製剤の投与を行われたが、貧血は遷延し、19週後にはHb 3.8まで低下した。この時点で網状赤血球の増加が見られなかったため、骨髄穿刺を施行。骨髄にて赤芽球の低形成が認められ赤芽球癆(PRCA)と診断された。PRCAに対してすでに内服中であったCyclosporin Aを増量し、Mycophenolate mofetilは中止としたところ、網状赤血球の増加がみられ貧血も徐々に改善した。21週後にはHb9.1まで回復したためPeg-IFN α2b、RBVの投与を再開した。その後はPRCAが再燃することはなく、平成21年3月まで48週間の治療を完遂することが可能であった。
索引用語 赤芽球癆, HCV再感染