セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
救命し得た腹腔動脈起始部狭窄に伴う膵十二指腸動脈瘤の1破裂例
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演者 |
木村 和恵(済生会唐津病院 外科) |
共同演者 |
山懸 基維(済生会唐津病院 外科), 力丸 竜也(済生会唐津病院 外科), 山口 博志(済生会唐津病院 外科), 深堀 哲弘(済生会唐津病院 放射線科), 園田 孝志(済生会唐津病院 外科) |
抄録 |
【はじめに】腹腔動脈起始部の高度狭窄が原因となった膵十二指腸領域の動脈瘤破裂に対し2期的手術にて救命し得た1例を経験したので報告する。【症例】63才男性で、近医においてショック状態となり緊急紹介となった。紹介時は止血しており保存的治療が可能であった。3DCTでは腹腔動脈起始部の高度狭窄と膵十二指腸動脈領域の動脈瘤を認めた。CTの翌日再出血を起こし、この際緊急手術を行い止血のみを行った。その後、血腫の器質化に伴うSMA症候群様腸管通過障害を併発し、最初の手術から15日後に腹腔動脈起始部の正中弓状靱帯(median arcuate ligament, MAL)開放と胃空腸吻合によるバイパス術を行った。一年後の3DCTでは血管の異常が全く消失していた。【考察】腹部内臓動脈瘤、特に膵十二指腸動脈領域の動脈瘤はまれであり、破裂して発見される場合が多い。腹腔動脈起始部が狭窄を示すMAL症候群ではTAEが困難な場合があり、外科的止血術の必要性が高い。その上、腹腔動脈起始部の狭窄開放こそが根本的治療であることから、外科的治療選択は有益性は増すものと考える。 |
索引用語 |
内臓動脈瘤, 正中弓状靱帯 |