セッション情報 一般演題

タイトル

C型慢性肝炎に対するIFN治療におけるチーム医療の試み

演者 森田 恭代(清和会長田病院 消化器科)
共同演者 加藤 絵美子(清和会長田病院 消化器科), 野田  哲弘(清和会長田病院 消化器科), 立石 行生(清和会長田病院 消化器科), 古波倉 允(清和会長田病院 消化器科), 長田 英輔(清和会長田病院 消化器科), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するPEG IFN・Rib治療は72週までの長期間治療が可能となり、このことにより治療効果は伸びたが、患者の身体的、精神的負担は大きくなり、抑うつ状態の発症の報告も多く認められる。また患者数の増加に伴い医師だけでは患者一人にかける診療時間には限りがあり、対応が不十分である。そこで合併症、脱落例を防ぐ為に当院ではチームを組んで患者対応を試みたので報告する。【方法】病棟と外来それぞれに医師、看護師、栄養士、薬剤師からなるIFN治療班を作り、次の対策を講じた。1)導入前の合併症の見逃しを防ぐ為に導入前検査指示表を作成し、検査計画、実施の確認を行った。2)管理栄養士による栄養指導を導入前、導入後に行う。3)曜日別受診者表を作成し、受診漏れを防いだ。4)患者の状態変化の見逃し防止の為に、問診時チェック表を作成しバイタルチェック以外に倦怠感、食欲、睡眠、皮疹・掻痒感等に関してスコア化して評価した。さらに看護師による評価を統一する為にスコアの尺度表を作成した。5)IFN治療前と毎月self depression scale(SDS)を用いて調査した。6)患者会を定期的に行い、薬剤師による服用指導や、栄養士による食指不振に対する対策指導などを行うとともに、患者同士の不安や苦悩を自由討論する時間を設けた。【結果】チーム医療の徹底前に比し、検査漏れが有意に減少し、合併症や抑うつ状態の早期発見が可能となり、早期に精神科紹介も行えるようになった。また、スタッフが各患者の不安や苦悩を知ることでサポートする姿勢ができた。さらに患者も患者間の交流によって不安の軽減、情報共有化ができた。この結果、治療脱落例が平成19年3月までは27%であったのに比し、平成19年4月以降は13%と有意に減少した。
索引用語 C型慢性肝炎, IFN治療