セッション情報 一般演題

タイトル

ヘルペス腸炎に偽膜性腸炎を併発した血管型ベーチェット病の1症例

演者 江里口 芳裕(九州大学 医学部 第1内科)
共同演者 隅田 幸祐(九州大学 医学部 第1内科), 長崎 洋司(九州大学 医学部 第1内科), 馬場 英司(九州大学 医学部 第1内科), 塚本 浩(九州大学 医学部 第1内科), 下野 信行(九州大学 医学部 第1内科), 赤司 浩一(九州大学 医学部 第1内科), 伏見 文良(九州大学 医学部 第2病理), 田宮 貞史(九州大学 医学部 第2病理), 小田 義直(九州大学 医学部 第2病理)
抄録 症例は64歳、女性。34歳時に血管型ベーチェット病を発症し、36歳時に冠動脈瘤破裂に対して冠動脈バイパス術、59歳時に腰椎変性側湾症に対して固定術を施行。近年は、近医でベーチェット病に対してPSL17.5mg/日の投与がなされ経過観察されていた。平成20年10月に左上下肢の腫脹よりベーチェット病の増悪が疑われ、当科紹介。検査にて、黄色ブドウ球菌菌血症、化膿性脊椎炎、多発皮下膿瘍を認めたため当科入院となる。加療中に難治性の口腔内糜爛が出現し、同病変部がHSV-1抗原陽性でありヘルペス口内炎と診断された。また、同時期に出現した下痢の精査で施行した大腸内視鏡検査にて、盲腸から直腸にかけ、びまん性に小糜爛と偽膜を認めた。糜爛部の病理組織検査での免疫染色にてHSV-1抗体が陽性となり、偽膜性腸炎を併発したヘルペス腸炎と診断した。バンコマイシン内服とガンシクロビル静脈投与にて治療を開始したが、原疾患のコントロールがつかず死亡。非常に稀であるヘルペス腸炎に、偽膜性腸炎を併発した症例を経験したので報告する。
索引用語 ヘルペス腸炎, ベーチェット病