セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 腹腔内破裂を来した小腸GISTの1例 |
演者 | 山村 謙介(済生会熊本病院 外科センター) |
共同演者 | 水元 孝郎(済生会熊本病院 外科センター), 山口 祐二(済生会熊本病院 外科センター), 金光 敬一郎(済生会熊本病院 外科センター), 多田 修二(済生会熊本病院 外科センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院 外科センター) |
抄録 | 症例は58歳男性。生来健康。突然の下腹部痛により近医を受診し、急性腹症で精査・加療目的に当科紹介となった。臍を中心とする中腹部に強い圧痛を認めた。貧血や臓器障害は認めずCRP1.99と炎症所見は軽微であった。腹部CTでは骨盤内に、10cm大で不整形の、内部に一部石灰化を伴うような腫瘤性病変があり、周囲に高吸収域の液体貯留像があり腫瘍からの出血(腹腔内出血)と診断した。止血及び腹腔内精査のために緊急手術を行った。開腹所見では、血性の腹水を認め、トライツ靱帯から約220cm肛門側の小腸壁の漿膜側に有茎性の八頭状の腫瘤を認め、腫瘍は被膜が破れ出血していた。この腫瘍以外に腹腔内に多数の播種性の小腫瘤を認めた。主腫瘤を含む15cmの回腸を切除し機能的端々吻合で再建した。術後は経過良好で術後10日目に退院した。病理はGastrointestinal stromal tumor(GIST) with osteoid metaplasiaでC-kit陽性、CD34陽性、S-100蛋白・α平滑筋アクチンは陰性であった。播種性の小病変はGISTの成分を有していた。外来でメシル酸イマチニブの投与を検討中であったが、肺癌(SCC)を認め右肺上葉切除を行い経過観察中である。小腸GISTは比較的まれな疾患であるが、中でも腸管外へ発育しその腫瘍の破裂・出血により診断に至ったものはまれである。若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | GIST, 腹腔内出血 |