セッション情報 一般演題

タイトル

当院でのカプセル内視鏡検査における前処置法の検討

演者 小篠 洋之(大腸肛門病センター くるめ病院)
共同演者 荒木 靖三(大腸肛門病センター くるめ病院), 野明 俊裕(大腸肛門病センター くるめ病院), 藤 勇二(大腸肛門病センター くるめ病院), 中川 元典(大腸肛門病センター くるめ病院), 岩谷 泰江(大腸肛門病センター くるめ病院), 豊永 敬之(大腸肛門病センター くるめ病院), 鍋山 健太郎(大腸肛門病センター くるめ病院), 高野 正博(大腸肛門病センター くるめ病院), 白水 和雄(久留米大学医学部外科)
抄録 【目的】カプセル内視鏡(Capsule endoscopy以下CE)は2007年10月に保険適応となり小腸疾患に対する検査法として普及してきたが,観察する小腸の状態(残渣物や気泡,狭窄の有無や腸管蠕動など)が診断能に影響すると思われる.そこで当院でのCEにおける前処置法とその結果について報告する.【方法】当院では2008年10月にオリンパス社製CE(Endo Capsule)を導入し2009年3月までに13症例に施行した.検査目的は原因不明の消化管出血4例,小腸精査9例であった. 前処置は1例目のみ無処置であったが,2例目以降はポリエチレングリコール(PEG)液を使用し,適宜ピコスルファートナトリウム液や消化管消泡剤(ガスコン水)を併用,また最近ではクエン酸マグネシウム液をPEG前に服用させている.さらにCE前にX線非透過マーカーを用いて器質的狭窄の有無や腸管輸送能を事前に把握し前処置における補助検査とした.【成績】CEが服用できなかった女性1例を除く12例(男性7例,女性5例,平均年齢50.5±22.8歳)に検査を完遂できた.盲腸到達率は66.7%(8例/12例),平均胃通過時間51.3±40.6分(12例),小腸通過時間258.6±157.0分(8例)であった.観察に支障の無かった症例5例(良好群)と残渣物や気泡により観察が困難で前処置不良と判断した症例7例(不良群)とに分けて検討した結果,盲腸到達率は不良群で有意に低かった.X線非透過マーカー検査は7例に施行したが(良好群3例,不良群4例)器質的狭窄は認めず排便時間に明らかな差を認めなった.【結論】CE検査では特に下部小腸における良好な観察状態を確保するために今後PEG液服用量や服用時間さらに消化管消泡剤の投与方法を検討する必要がある.
索引用語 カプセル内視鏡, 前処置