セッション情報 一般演題

タイトル

食道内分泌細胞癌(小細胞型)を伴った扁平上皮癌の一例

演者 徳永 紀子(九州大学大学院 病態制御内科学)
共同演者 板場 壮一(九州大学大学院 病態制御内科学), 五十嵐 久人(九州大学大学院 病態制御内科学), 山田 真梨子(九州大学大学院 病態制御内科学), 井星 陽一郎(九州大学大学院 病態制御内科学), 麻生 暁(九州大学大学院 病態制御内科学), 村尾 寛之(九州大学大学院 病態制御内科学), 荻野 治栄(九州大学大学院 病態制御内科学), 金山 兼司(九州大学大学院 病態制御内科学), 隅田 頼信(九州大学大学院 病態制御内科学), 秋穂 裕唯(九州大学大学院 病態制御内科学), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科学), 伊藤 鉄英(九州大学大学院 病態制御内科学), 高柳 涼一(九州大学大学院 病態制御内科学), 後藤 綾子(九州大学大学院 形態機能病理学)
抄録 症例は70歳、男性。既往に慢性膵炎、早期胃癌、糖尿病、慢性腎不全あり。平成19年12月より食事の際に喉のつかえ感と4か月で6kgの体重減少を認めた。体重減少精査のため入院となった。上部消化管内視鏡検査で中部食道に長径30mmと下部食道に25mmのNBIでbrownish area、ヨード染色で不染領域を認めた。下部食道病変の表面は粗造で、病変の中心部は伸展不良、畳の皺が消失しており、深達度MM-SM1が疑われた。NBI拡大観察ではMM-SM1の深達度と考えられた。EUSでは深達度Mと考えられ、周囲に明らかなリンパ節腫大も認めなかった。頚胸腹部CTでリンパ節転移や遠隔転移は認めず、FDG-PETでも集積は認めなかった。内視鏡治療の相対的適応であり、十分なインフォームド・コンセントの上、患者の希望でESDを行った。病理組織学的には、腫瘍の一部は免疫染色でsynaptophysin、CD56に陽性で、食道内分泌細胞癌(小細胞型)を伴った扁平上皮癌と診断され、pType 0-IIa, pT1b(SM: 200μm), ly1, v0, pHM1, pVM1であった。リンパ節転移の可能性が高いため、追加治療は放射線化学療法の方針となった。28Gy照射後、骨髄抑制による著明な血球減少を認め、治療を中断し現在経過観察中である。
食道内分泌細胞癌は、これまで小細胞型未分化癌として報告されてきた稀な疾患で、悪性度が高く予後は不良である。今回、比較的早期の内分泌細胞癌(小細胞型)を伴った扁平上皮癌を経験したため、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道内分泌細胞癌, 食道小細胞癌