セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 腹水穿刺後に巨大腹壁皮下血腫を形成した1例 |
演者 | 井濱 康(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科) |
共同演者 | 伊良波 淳(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科), 仲村 光輝(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科), 安座間 欣也(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科), 小橋川 ちはる(琉球大学 医学部 附属病院 光学医療診療部), 知念 寛(琉球大学 医学部 附属病院 光学医療診療部), 岸本 一人(琉球大学 医学部 附属病院 光学医療診療部), 仲本 学(琉球大学 医学部 附属病院 光学医療診療部), 平田 哲生(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科), 金城 渚(琉球大学 医学部 附属病院 光学医療診療部), 外間 昭(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科), 金城 福則(琉球大学 医学部 附属病院 光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大学 医学部 附属病院 第一内科) |
抄録 | 症例は32歳男性。平成20年7月にT4N3M1H1P1 stage IVの胃噴門部癌と診断され、8月よりTS-1/CDDPの併用療法を計5クール施行されたが、肝転移巣の増大および腹水の出現を認め平成21年1月にPDと判断した。2月19日にセカンドラインとしてDocetaxel単剤の投与を行った。Plt 3.9万/μLとGrade3の血小板減少を認めていたところ、2月25日に胃癌部からの出血を認め、Hbが8.0から3.0 g/dLまで低下しMAP輸血を施行した。その後は週1~2回の腹水穿刺排液が必要な程の腹水の増加と黄疸の出現がみられた。3月10日にHb 9.4 g/dL、Plt 6.0万/μL、PT-INR 1.42であったが、通常どおりに左下腹部より腹水の穿刺排液を施行したところ、翌11日に穿刺部の腫大と疼痛を認めた。腹部造影CTを施行したところ、左腹壁皮下にφ138×58 mmの巨大な血腫形成を認め、血腫内への造影剤の漏出が確認された。Hbが6.6 g/dLまで低下しMAP輸血を施行した。血管造影にて左下腹壁動脈からの出血を確認し、同血管をコイル塞栓術にて止血した。翌日の腹部造影CTにて血腫内への少量の造影剤の漏出を認め、再度血管造影にて出血部位を確認しヒストアクリルにて止血した。出血傾向のある患者での腹水穿刺排液は臨床上多く施行されているが、本患者のように巨大な血腫形成を認める機会は少ないと思われる。本患者の臨床経過と若干の文献学的考察を含め報告する。 |
索引用語 | 腹水穿刺, 血腫 |