セッション情報 一般演題

タイトル

広範な胃粘膜病変を呈し早期胃癌の合併を認めたアナフィラクトイド紫斑の1例

演者 岩下 祐司(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学DELIMITER鹿児島県立 大島病院 消化器内科)
共同演者 嵜山 敏男(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 指宿 和成(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 香月 稔史(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 那須 雄一郎(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学DELIMITER鹿児島県立 大島病院 消化器内科), 上村 修司(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学DELIMITER鹿児島県立 大島病院 消化器内科), 今給黎 和幸(鹿児島大学病院 光学医療診療部), 宮原 広典(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 山元 隆文(鹿児島大学病院 光学医療診療部), 坪内 博仁(鹿児島大学 大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【はじめに】アナフィラクトイド紫斑(Henoch-Schönlein紫斑病,アレルギー性紫斑病)は消化管病変を高率に合併することが知られているが,十二指腸病変が中心である。また,成人発症例では悪性腫瘍の合併の報告もある。今回我々は広範な胃粘膜病変と早期胃癌の合併を認めたアナフィラクトイド紫斑の症例を経験したので報告する。
【症例】59歳の女性。主訴は紫斑と下腹部痛。下肢を主体とする多数の紫斑が出現したため皮膚科を受診し,理学所見と病理組織よりアナフィラクトイド紫斑と診断された。その後,下腹部痛が出現し,ステロイド治療を開始された。吐血をきたしたため上部消化管内視鏡検査を施行,前庭部を主体とする高度の襞壁肥厚と発赤,びらんを認め,アナフィラクトイド紫斑に伴う胃病変と考えられた。ステロイドパルス,第XIII因子の補充,PPI投与等による症状及び内視鏡所見の改善後の上部消化管内視鏡検査にて,胃前庭部後壁側に10mm程度の0 IIa+IIcの胃癌を認めた。内視鏡治療の適応と判断し,ESDを施行した。病理診断はwell differentiated tubular adenocarcinomaで深達度はm,断端陰性であった。尚,Helicobacter pyloriの血中IgGが陽性であり,除菌療法を行った。
【まとめ】アナフィラクトイド紫斑での消化管病変は多数報告されているが,広範な胃粘膜病変の報告は少なく,また,早期胃癌の合併も認めたことから,若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 アナフィラクトイド紫斑, 消化管病変