セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 腹部大動脈瘤を伴った上行結腸癌に対しステントグラフト内挿術後に結腸右半切除術を施行した一例 |
演者 | 櫻井 眞人(飯塚病院 外科) |
共同演者 | 宮崎 充啓(飯塚病院 外科), 西田 康二郎(飯塚病院 外科), 近藤 潤也(飯塚病院 外科), 三好 修(飯塚病院 外科), 調 憲(飯塚病院 消化器外科), 長家 尚(飯塚病院 外科) |
抄録 | 腹部大動脈瘤を伴う上行結腸癌に対し、ステントグラフト内挿術後に結腸右半切除術を施行した一例【はじめに】腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は、高齢者、重篤な心肺機能障害、複数回の開腹歴を有するなどのいわゆるhostile abdomenの症例が良い適応とされている。われわれは肝硬変を合併した腹部大動脈瘤、上行結腸癌症例に対し、ステントグラフト内挿術後に結腸右半切除術を行い、重篤な合併症なく根治術を行えた症例を経験したので報告する。【症例】81歳、男性【主訴】便秘【現病歴】前医にて肝硬変の治療と腹部大動脈瘤に対する血圧コントロールを行っていたが、腹部CTにて上行結腸の壁肥厚を認め、上行結腸癌と診断され、当院紹介となった。【既往歴】平成13年S状結腸癌(手術)、早期胃癌(EMR)【画像所見】下部消化管内視鏡検査にて上行結腸肝彎曲部に全周性の2型進行癌を認め、生検ではGroupV、高分化型腺癌であった。CTにて腎動脈分岐部以下に長径5.6cm大の腹部大動脈瘤を認めた。【治療方針】狭窄を伴う上行結腸癌で早急に手術が必要であったが、腹部大動脈瘤の術中破裂の危険性を考慮し、腹部大動脈瘤に対しステント挿入2週後に上行結腸癌の手術を行う方針とした。【手術所見】ステントグラフト内挿術:両大腿動脈より、中枢側は腎動脈分岐部以下、末梢側は両内腸骨動脈分岐部直上にかけてステント挿入した。結腸右半切除術:開腹所見では下腹部を中心に小腸が広範囲に癒着しており、剥離後に結腸右半切除術(D2郭清:粘液癌、深達度SS、N0、StageII)を行った。【術後経過】術後創感染と一過性の高アンモニア血症を合併したが軽快し、退院となった。術後9ヶ月の現在、腹部大動脈瘤、結腸癌の再燃を認めていない。【まとめ】本症例は肝硬変を合併した開腹歴を有する高齢者で、上行結腸癌に対する手術も必要であったことから、腹部大動脈瘤に対するステント挿入先行の良い適応であったと考えられた。 |
索引用語 | 結腸癌, 腹部大動脈瘤 |