セッション情報 | 要望演題9 「B型肝炎治療の長期経過と問題点」 |
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タイトル | 3年以上の核酸アナログ製剤投与例における長期成績 |
演者 | 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 呉 建(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 長谷川 将(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 真(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 田原 憲治(鹿児島厚生連病院), 堀 剛(鹿児島市立病院), 藤崎 邦夫(霧島市立医師会医療センター), 黒木 和男(串間市民病院), 重信 秀峰(済生会川内病院), 小森園 康二(南風病院), 岩満 章浩(宮崎医療センター病院), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【はじめに】B型肝炎に対する核酸アナログ製剤として2000年11月からラミブジン(LAM)が使用可能となり、現在、アデフォビル(ADV)併用例やエンテカビル(ETV)投与例も存在する。今回、南九州関連施設において核酸アナログ長期投与例について検討したので報告する。【対象・方法】南九州肝臓研究会の8施設において2008年10月31日までに3年以上核酸アナログ製剤が投与された142例についてretrospectiveにLAM投与によるHBV-DNA陰性化率、HBeセロコンバージョン率、Virological breakthroughとBreakthrough hepatitis(以下BTH)の頻度、ADV併用効果、発癌率について検討した。 【結果】観察期間63.4±18.9ヶ月、平均年齢は55.5±11.0歳で、背景肝はCH/LC/不明 92/44/6例、HBe抗原陽性/HBe抗体陽性 77/56例であった。治療別では全例LAMで投与開始され、LAM継続例が61例、LAM+ADV併用例63例、ETV変更例18例であった。LAMによるHBV-DNA陰性化率は85.1%でHBe抗原陰性例では特に高率で、ALT正常化率は93.8%、HBeセロコンバージョン率は4年で35.6%であった。Virological brealthroughは5年で50.8%、BTHは33.3%に出現し、HBe抗原陽性例や肝硬変例で高率であった。BTH時のADVによるHBV-DNA陰性化率は85%、ALT正常化率は79.3%で、HBe抗原陰性例でHBV-DNA陰性化率は高率であったが、ALT正常化に有意差はなかった。全体の17.0%に肝細胞癌が発生し、肝硬変例、BTH例で高率であった。【結語】南九州関連施設において3年以上核酸アナログ製剤を投与した142例について検討した。今後はナイーブ例に対するETV投与例、LAMまたはLAM+ADV併用からのETV変更例の追跡調査を行い、長期成績を検討したい。 |
索引用語 | B型肝炎, 長期成績 |