セッション情報 一般演題

タイトル

ダブルバルーン内視鏡を使用し、ERCおよび採石術を施行し得たRoux-en-Y再建術後と空腸間置術後の2症例

演者 上川 健太郎(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 浦田 淳資(済生会熊本病院 消化器病センター), 千代永 卓(済生会熊本病院 消化器病センター), 門野 義弘(済生会熊本病院 消化器病センター), 塩屋 公孝(済生会熊本病院 消化器病センター), 吉田 健一(済生会熊本病院 消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院 消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター)
抄録 症例1は69歳女性。50歳時に胃全摘術(Roux-en-Y再建)を施行されている。2009年2月19日上腹部痛を主訴に当院救急外来を受診された。採血、エコー、CTにて総胆管結石による急性胆管炎と診断し、同日緊急入院となる。緊急ERCPを試みたが、Roux-en-Y再建術後のため乳頭まで到達できず、治療を断念した。後日ダブルバルーン内視鏡(フジノン社製EN-450BI5)を使用したところ、乳頭まで挿入することかでき、胆管造影にて結石を確認したため、EPBDを行い、バルーンカテーテルにて採石術を行った。特に合併症なく軽快退院となった。症例2は72歳男性。60歳時に胃全摘術(空腸間置術)を施行されている。2009年2月13日腹痛を主訴に来院。採血、エコー、CTにて総胆管結石による急性胆管炎と診断した。当日緊急でPTGBDを施行した。その後炎症は改善したが、総胆管内に結石多数のため、後日ダブルバルーン内視鏡(フジノン社製EN-450BI5)を使用したところ、乳頭まで挿入することか出来た。直視鏡のため胆管挿入が非常に困難であったが、パピロトミーナイフを使用することで胆管造影を行うことができた。結石を確認したため、EPBDを行い、バルーンカテーテルにて採石術を行った。特に合併症なく軽快退院となった。術後腸管に対するERCは、その複雑な再建術のため乳頭までの到達が困難とされてきたが、ダブルバルーン内視鏡を用いることにより、安全に乳頭までの到達が可能であった。また、フジノン社製EN-450BI5を使用することにより、従来の処置具を使ってのEPBDやバルーン採石術を行うことが可能であった。ただ、直視鏡であることや起立鉗子がないことから、胆管挿入や採石術は操作性に問題が残る。今回の2症例の経験によるダブルバルーンを利用したERCの利点や欠点その他文献的考察を含めて報告する。
索引用語 ダブルバルーン, ERC