セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 内視鏡にて出血部位を同定し止血し得た回腸末端のDieurafoy型潰瘍の一例 |
演者 | 金光 高雄(済生会二日市病院 内科) |
共同演者 | 吉岡 慎一郎(済生会二日市病院 内科), 宮岡 正喜(済生会二日市病院 内科), 是此田 博子(済生会二日市病院 内科), 佐藤 公昭(済生会二日市病院 内科), 白地 哲(済生会二日市病院 内科), 福嶋 博文(済生会二日市病院 内科), 松井 敏幸(福岡大学筑紫病院 消化器科), 岩下 明徳(福岡大学筑紫病院 病理部) |
抄録 | 【症例】72歳 女性【主訴】血便【現病歴】2008年10月9日新鮮血便を自覚、10月11日再度大量下血を認め、近医より当科紹介受診となった。【既往歴】60歳:関節リウマチ NSAIDs(Diclofenac sodium 55mg/日)、経口ステロイド(Prednisolone 10mg/日)内服中。【経過】来院時血便は持続し、血圧90台と低下あり。採血上Hb7.0g/dlと貧血の進行を認め、緊急下部消化管内視鏡検査を施行した。大腸内には多量の凝血塊を認めるも明らかな出血源を同定出来なかった。このため、回腸へ内視鏡を挿入。回腸内には新鮮血及び凝血塊が多量に残存し、洗浄を行うことにより噴出性出血を伴うDieulafoy型潰瘍を確認した。同部位に対しクリップ法による止血術を施行し、止血効果を得、終了した。また、その周囲には小アフタが多発していた。入院後絶食による保存的加療を行い経過を観察した。発症に関しNSAIDsの関与が完全に否定し得なかったため、入院中Diclofenac sodiumを中止した。内視鏡的止血術後、新たな血便は認めず、10月16日(7病日)より経口摂取を再開し、全身状態は良好に経過した。小腸病変の精査のため、11月6日(29病日)シングルバルーン小腸内視鏡にて経肛門的小腸内視鏡検査施行。止血後の潰瘍は瘢痕化し、口側小腸にはアフタの瘢痕が多発していた。同部位の生検では特異的な所見を有さない慢性炎症の所見であった。今回の発症の原因として1 NSAIDsの使用歴が明らかで、抗性物質の使用歴がない2 便培養陰性3 NSAIDsの中止により治癒を確認4 生検で非特異的な炎症所見を認める点より、NSAIDsの関与が示唆された。【結語】回腸末端のDieulafoy型潰瘍を通常の下部内視鏡検査で観察し、止血し得た一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する |
索引用語 | 小腸潰瘍, 出血 |