セッション情報 一般演題

タイトル

集学的治療により長期生存中の進行膵癌の一例

演者 桑畑 太作(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科)
共同演者 新地 洋之(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 又木 雄弘(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 蔵原 弘(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 野間 秀歳(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 前村 公成(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 上野 真一(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 迫田 雅彦(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 久保 文武(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 夏越 祥次(鹿児島大学 腫瘍制御学 消化器外科), 高尾 尊身(鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センター)
抄録 【はじめに】進行膵癌は予後不良であり,いまだ有効な治療法は確立されていない。今回、局所進行膵癌症例に対し、放射線化学療法を行い、その後化学療法単独で維持。2年7か月経過後、肺転移をきたし、同転移巣に対し追加放射線療法を施行し、発見時より3年8か月の長期生存が得られている一例を経験した。【症例】70歳 女性H17年8月、検診エコーにて膵腫瘍指摘。膵体部癌の診断。9月、当科紹介入院。Pb, 4×3cm, T4(CH-, DU-, S+, RP+, PV(sm+, sp+), A(sp+, ch+), PL+, OO-), N3(14p, 16b1), M0, StageIVbの診断。FDG-PETにて主病巣に集積あり(SUVmax:6.3→8.1)10月-11月、TS1(120mg/day, 3W連続)+HART(1.25Gy×2/day, 5回/W, total 50Gy)施行。CTにて腫瘍縮小あり(3.7×2cm; PR)。PETにて集積消失。その後、2年7か月、TS-1(100mg/day, 2W投与2W休薬)単独維持療法。H20年6月、CTにて右肺S5に10mmの結節指摘。PETにて主病巣に集積は認めないが、右肺結節部と右鎖骨上リンパ節に異常集積あり。7月、TS1単独治療からTS1(80mg/day, 2W連続)+CDDP(25mg,biweekly)に変更。11月、TS1+CDDPを4コース施行後のCTにてSD。更に、TS1+CDDPを2コース施行後2月、CTにて右肺腫瘍は19mmと増大傾向。腫瘍マーカーCEA,CA19-9の上昇あり。肺転移に対して、Stereotactic Body Radiotherapy(12Gy×4回)施行。現在、外来フォローアップ中。【まとめ】本症例はTS-1+HARTの放射線化学療法後、TS-1単独での維持化学療法で2年7か月、腫瘍の増大や転移を認めなかった。その後、肺転移を認め、同転移巣に対し追加放射線療法を施行し、発見時より3年8か月の長期生存が得られている一例を経験したので報告する。
索引用語 進行膵癌, 集学的治療