セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
自己免疫性肝炎(AIH)に非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を合併した一例
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演者 |
福田 慎一郎(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科) |
共同演者 |
小森 敦正(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 橋元 悟(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 西川 晃子(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), はい 成寛(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 立山 雅邦(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 本吉 康英(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 長岡 進矢(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 田浦 直太(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 柳 謙二(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 阿比留 正剛(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 矢野 公士(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 八橋 弘(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 石橋 大海(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科), 伊東 正博(国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 消化器科DELIMITER国立病院機構 長崎医療センター 病理) |
抄録 |
【症例】60歳、女性【主訴】肝機能異常【現病歴】2005年、検診にて軽度肝機能異常を指摘され以後近医にて経過を観察されていた。検診から4ヵ月後、肝機能異常の悪化を認め、当院紹介され入院となった。【既往歴・生活歴】糖尿病の指摘無し。飲酒歴なし。【身体所見】身長 152.8 cm,体重 55.1 kg、BMI 23.6 kg/m2【検査成績】T-Bil 0.7 mg/dl, AST 174 IU/l, ALT 302 IU/l, ALP 263 IU/l,γ-GTP 120 IU/l, FBS 123 mg/dl, HbA1c 6.9 % ,T-Chol 198 mg/dl, TG 151 mg/dl, 血小板21×104/μl, Alb 4.4 g/dl,IgG 2370 mg/dl,抗核抗体1280倍(Speckled), 抗平滑筋抗体80倍, 抗ミトコンドリア抗体 <20倍, HLA-DR4(+),HBs-Ag (‐), HCV-RNA (‐)。【入院後経過】腹部超音波、腹部CTで脂肪肝と診断された。肝生検組織では高度なInterface hepatitisを認め、実質障害部・門脈域周辺に多彩な炎症細胞浸潤も明らかで、AIHに矛盾しない所見であった。一方steatosisが存在し、肝細胞ballooningやMallory bodyを認め、pericellular/bridging fibrosisも伴うことから、Brunt 分類grade 2/3のNASHの併存が示唆された。国際AIH scoreは17点であった。以上,臨床、病理学的所見よりAIHとNASHの合併例と診断した。プレドニゾロン(PSL)30 mg/日の投与により肝機能は速やかに正常化し、以後PSLは漸減した。一方PSL導入後に糖尿病は悪化を認め、食事運動療法にインスリン導入も必要となったが、体重減少、血糖値改善が得られた。初回受診より3年4ヵ月後に施行した肝生検ではbridging fibrosis やNASHの組織所見は消失し、門脈域にごく軽度の炎症細胞集属を認めるのみであった。【結語】NASHにおいてはしばしば抗核抗体が陽性であるため、AIHとの鑑別に苦慮することも少なくない.両者の診断および治療に関して、若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 |
自己免疫性肝炎, 非アルコール性脂肪性肝炎 |