セッション情報 | 研修医発表 |
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タイトル | αグルコシダーゼ阻害薬(α-GI)が原因と考えられる腸管気腫の1例 |
演者 | 國田 睦(雪の聖母会 聖マリア病院 ) |
共同演者 | 平 昭嘉(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 清水 義久(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 上野 恵里奈(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 近藤 礼一郎(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 岡村 修祐(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 前山 泰彦(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 住江 博明(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 吉貝 浩史(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 鳥井 芳邦(雪の聖母会 聖マリア病院 ), 酒井 輝文(雪の聖母会 聖マリア病院 ) |
抄録 | はじめに、下痢と腹痛を主訴に来院した患者の腹部レントゲンにて異常ガス像を認め、α-GIの中止によりガス像と症状が消失した症例について報告する。症例は64歳男性で2型糖尿病に対しα-GI(ベイスン)、スルフォニル尿素類(オイグルコン)内服中であった。数日後より心窩部痛、下腹部痛、下痢が出現し近医にて上部消化管内視鏡を施行され、慢性胃炎といわれたが症状が改善しないため当科外来を受診された。腹部レントゲンにて上行結腸内の走行に沿う線状のガス像を認め、腸管気腫が疑われた。後日施行したCTでも上行、横行結腸に腸管壁に沿うガスを認め、腸管気腫と診断された。大腸内視鏡検査では上行結腸は全周性に浮腫状、拡張不良であった。腸管気腫の副作用が報告されているα-GIの内服を中止したところ、症状は改善し腹部レントゲンでも線状のガス像は徐々に減少し、やがて消失した。腸管気腫の発生機序には様々な説がある。α-GIによって腸管内圧が上昇し、機械的に腸管粘膜面からガスが進入して腸管気腫が生じると考えられているが、本症例は腸管内ガスはさほど多くはなかった。また、これまで報告された症例は嚢胞様のガス像を呈しているが、本症例では腸管壁に全周性にガス像を認めたことが特異的な所見と思われたため、ここに報告する。 |
索引用語 | 腸管気腫, α-GI |