セッション情報 | 研修医発表 |
---|---|
タイトル | C型肝硬変に合併した肝動脈瘤の一例 |
演者 | 坪川 典史(済生会福岡総合病院 外科) |
共同演者 | 吉住 朋晴(済生会福岡総合病院 外科), 福田 篤志(済生会福岡総合病院 外科), 星野 祐二(済生会福岡総合病院 外科), 定永 倫明(済生会福岡総合病院 外科), 山崎 宏司(済生会福岡総合病院 外科), 島松 晋一郎(済生会福岡総合病院 外科), 永末 裕友(済生会福岡総合病院 外科), 伊東 啓行(済生会福岡総合病院 外科), 大賀 丈史(済生会福岡総合病院 外科), 石田 真弓(済生会福岡総合病院 外科), 松浦 弘(済生会福岡総合病院 外科), 岡留 健一郎(済生会福岡総合病院 外科) |
抄録 | 【はじめに】内臓動脈瘤は0.1-2.0%に発生するまれな疾患で、肝動脈瘤の頻度はその約20%で、治療法及び治療適応については、未だ一定の見解が得られていない。今回我々は、肝動脈瘤に対して動脈瘤切除、血行再建術を施行した症例を報告する。【症例】81才女性。C型肝硬変及び食道動脈瘤にて近医フォロー中であった。4年前より前より肝動脈に径2.5cmの動脈瘤を指摘されていた。動脈瘤の径が4.4cmに増大してきたため当科紹介。右季肋部に拍動性の腫瘤を触知。肝機能はChild-Pugh分類A、肝障害度Aであった。腹部造影CTでは、総肝動脈から胃十二指腸動脈と固有肝動脈の分岐部に径4.4×3.5cmの嚢状動脈瘤を認め、また脾腫と門脈本幹の瘤状の拡張も認めた。手術所見は、型通りに脾臓を摘出した。肝十二指腸間膜内に径約5.0cmの拍動性腫瘤を認めた。総肝動脈と左右肝動脈を剥離しクランプ。その後に瘤を切開し、胃十二指腸動脈を瘤の内腔から確認し、縫合閉鎖した。血行再建は総肝動脈と固有肝動脈を2点支持下に、端々連続吻合を行った。術後7日目の造影CTで吻合部は開存しており、左右肝動脈が良好に描出された。【考察】肝硬変患者における動脈硬化の合併頻度は低率であるとされているが、今回経験した肝動脈瘤の原因は著明な石灰化を伴う動脈硬化によるものと考えられた。一方、治療法は動脈塞栓術も報告されているが、術前画像で動脈の側副血行路がなく、胃十二指腸動脈と固有肝動脈の分岐部に瘤が及んでおり、塞栓術による肝梗塞を危惧し手術による血行再建が第一選択と考えられた。 |
索引用語 | 肝動脈瘤, 動脈硬化 |