セッション情報 一般演題

タイトル

肝切除と2度の肺切除後、再発の見られない肝細胞癌の1例

演者 中鋪 卓(大分県立病院 消化器内科)
共同演者 吉村 映美(大分県立病院 消化器内科), 久保田 陽子(大分県立病院 消化器内科), 藤本 真澄(大分県立病院 消化器内科), 西村 大介(大分県立病院 消化器内科), 加藤 有史(大分県立病院 消化器内科)
抄録 【症例】44才 男性
【主訴】左肺野腫瘤影
【家族歴】母親・2名の弟にHBV関連肝疾患
【既往歴】特記事項なし
【生活歴】飲酒:焼酎5合/日以上の大酒家であったが肝切除以降節酒、喫煙:40本/日×20年、H17年肺切除以降禁煙している
【現病歴】B型慢性肝炎で近医に通院していた。平成16年3月腹部超音波で肝右葉に腫瘤を指摘され当科外来を受診。AFP 2300 ng/ml、PIVKA-II 68800 AU/ml。腹部CTでは、肝S8に径6cmの多血性腫瘤を認めた。肝細胞癌の診断を受け、3月26日当院外科で肝部分切除術を施行された。背景肝は慢性肝炎であったが、HBV-DNA 6.5 logcopy/ml、ALT 285 IU/mlと肝障害、HBVの高ウイルス量を認め、Lamivudineの内服を開始された。平成17年2月肝障害再燃のためAdefovirの内服開始。 同年4月AFP 387 ng/mlと上昇を認め、胸部CTで右肺S8に15mmの結節影を指摘された。同年7月当院呼吸器外科に紹介され、7月30日胸腔鏡下肺葉切除術を施行された。病理所見は、肝細胞癌の肺転移であった。平成18年10月胸部CTで左S10に小結節影を認めたため、平成19年1月当院呼吸器外科に再入院となった。
【経過】左肺S10の腫瘍も肝癌肺転移と診断し、胸腔鏡下肺葉切除を施行した。術後、約2年間にわたり、無再発のまま経過している。
以上、肝細胞癌 遠隔転移巣に対する外科的治療後、良好な予後が得られた症例は、比較的まれと思われたため、若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 肝細胞癌, 肺転移