セッション情報 一般演題

タイトル

B-RTO施行3年後に胃静脈瘤再発を認めた1例

演者 福永 篤志(福岡大学病院 消化器内科)
共同演者 横山 圭二(福岡大学病院 消化器内科), 阿南 章(福岡大学病院 消化器内科), 入江 真(福岡大学病院 消化器内科), 櫻井 邦俊(福岡大学病院 消化器内科), 田中 崇(福岡大学病院 消化器内科), 上田 秀一(福岡大学病院 消化器内科), 森原 大輔(福岡大学病院 消化器内科), 西澤 新也(福岡大学病院 消化器内科), 竹山 康章(福岡大学病院 消化器内科), 岩田 郁(福岡大学病院 消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学病院 消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学病院 消化器内科), 高良 真一(福岡大学病院 放射線科), 浦川 博史(福岡大学病院 放射線科), 東原 秀行(福岡大学病院 放射線科), 吉満 研吾(福岡大学病院 放射線科)
抄録 【背景】門脈圧亢進症に合併する胃静脈瘤は、破裂するとしばしば致死的となり、また静脈瘤を形成する大きな短絡路の存在で、肝性脳症を引き起こす事もある。胃-腎短絡路(GRシャント)が存在する場合、バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)により短絡路及び静脈瘤を消失させる事が可能である。今回、BRTO施行3年後に胃静脈瘤の再発した症例を経験したため、報告する。【症例】74歳女性。2005年6月、C型肝硬変および胃静脈瘤に伴う肝性脳症コントロール目的でBRTOを施行した。静脈瘤及びGRシャントは消失し、脳症も改善した。しかし、2008年4月頃より再び肝性脳症が出現する様になった。上部消化管内視鏡検査にて胃静脈瘤の再発(Lg-cf,f,F3,RC(-))を認めたため、加療目的で当科紹介入院となった。入院後の血管造影検査では、後胃静脈あるいは短胃静脈を流入路とし、左卵巣静脈から下大静脈を流出路とする胃静脈瘤の形成を認めた。左腎静脈起始部は描出されず、前回のBRTOにて閉塞しているものと考えられた。BRTO施行不能と判断し、透視下で内視鏡下硬化療法(EIS)を行った。治療後、静脈瘤の形態は著明に縮小し、現在肝性脳症もコントロール良好である。【考察】本症例では、血管造影により、再発した胃静脈瘤を形成する新たな流出路が確認された。BRTO後の胃静脈瘤の再発は非常にまれとされている。当科における胃静脈瘤再発の頻度や血行動態などの検討を、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃静脈瘤, BRTO