セッション情報 | 要望演題1 「食道表在癌の治療戦略 -ESD・化学放射線療法・外科手術の観点から-」 |
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タイトル | 当科における食道ESDの現況 |
演者 | 法村 大輔(長崎大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 山口 直之(長崎大学病院 消化器内科DELIMITER長崎大学病院 光学医療診療部), 大仁田 賢(長崎大学病院 消化器内科), 西山 仁(長崎大学病院 消化器内科), 大場 一生(長崎大学病院 消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院 消化器内科), 池田 幸紀(長崎大学病院 消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院 消化器内科DELIMITER長崎大学病院 光学医療診療部), 宿輪 三郎(長崎大学病院 消化器内科DELIMITER三佼会 宮崎病院), 水田 陽平(長崎大学病院 消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院 消化器内科), 河野 茂(長崎大学病院 第2内科) |
抄録 | 当科における食道ESDの現況1)長崎大学病院消化器内科2)長崎大学病院光学医療診療部3)三佼会宮崎病院 4)長崎大学病院第2内科法村大輔1)、山口直之1)2)、大仁田賢1)、西山仁1)、大場一生1)、市川辰樹1)、池田幸紀1)、磯本一1)2)、宿輪三郎3)、水田陽平1)、中尾一彦1)、河野茂4)【目的】食道ESDは難易度は高いが技術的には広範囲病変の一括切除が可能となった。一方、切除が広範囲に及ぶ場合は術後狭窄が必発となる。当科では内視鏡的にsm1までと診断した食道表在癌に対してESDを第一選択としている。当科における食道ESDの現況を報告する。【方法】2006年4月~2009年3月にESDを施行した食道腫瘍54例(扁平上皮癌32例、バレット癌4例、異形成18例)を対象に、以下の4項目を検討した。1)治療成績 2)偶発症3)切除範囲別の術後狭窄率4)治癒切除例・非治癒切除例の概要及び転帰【成績】1)一括切除率・一括完全切除率は、100%・87.0%であった。2)穿孔率・後出血率は共に0%、術後狭窄率は18.5%であった。3)切除範囲別の術後狭窄率は、3/4周を超える広範囲剥離症例で90.9%(10/11)、3/4周以下の症例で0%(0/43)であり、広範囲剥離症例は有意に狭窄率が高かった(P<0.0001)。狭窄症例は全例、内視鏡的拡張術で治療可能であった。4)治癒切除例の概要は扁平上皮癌が26例(m1:11例、m2:11例、m3:2例、sm1:2例)、バレット癌が4例(m2:2例、m3:2例)、異形成が17例であった。再発は1例も認めていない。非治癒切除例の概要は扁平上皮癌が6例(m3,ly1:1例、sm1,ly1:1例、sm2:4例)であり、追加治療として4例が化学放射線療法、2例が外科手術を施行した。異形成が1例であり、LM+であったが内視鏡上完全切除でburning effectも考慮し経過観察とした。再発は1例も認めていない。【結論】当科では3/4周を超える広範囲剥離例においても全例内視鏡的拡張術にて狭窄症状なく治療可能であった。そのため当科では内視鏡的にsm1までと診断した食道表在癌に対しては病変の周在性を問わず第一選択としてESDによる一括切除を行い、術後病理診断によりm3/sm1以深の非治癒切除症例に追加治療を検討している。治癒切除であったm3/sm1症例は全例経過観察を行っているが、再発は認めておらず適応拡大の可能性が示唆された。 |
索引用語 | 食道表在癌, ESD |