セッション情報 要望演題11 「経鼻内視鏡の現状」

タイトル

経鼻内視鏡補助下イレウス管挿入のコツ

演者 原田 直彦(国立病院機構 九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター)
共同演者 水谷 孝弘(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 岩佐 勉(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 岩下 亮子(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 杉 満紀子(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 内田 匡彦(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 大橋 朋子(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 古賀 荒太郎(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 武元 良佑(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 吉本 剛志(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 宮原 稔彦(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 福泉 公仁隆(国立病院機構 九州医療センター 消化器科), 中牟田 誠(国立病院機構 九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構 九州医療センター 臨床研究センター)
抄録 【背景】川村らにより考案された経鼻内視鏡補助下イレウスチューブ(IT)挿入法は、簡便かつ確実な手技であり、挿入時間・透視時間が短縮され術者・患者の両者に負担が軽減されるため、第一選択となる方法である。しかし、親水性ガイドワイヤ(GW)の操作には若干のコツがあり、その習得がより短時間での挿入成功に繋がる。【方法】当院に2006年6月以来、経鼻内視鏡補助下IT挿入法を68症例に対して行った。使用機種はフジノン東芝ESシステム社製EG530N2、ITはスーパーデニスチューブ(日本シャーウッド社製)または親水性IT(クリエイトメディック社製)、いずれも先端開口型長300cm、16Fr、ガイドワイヤ(GW)は親水性450cm長を使用した。【挿入方法】経鼻内視鏡を十二指腸水平脚まで挿入した後、親水性GWを鉗子口より入れス、透視下にGW先端をトライツ靭帯付近まで挿入しGWを残して内視鏡を抜去、GWに沿ってITを進め出来る限り深部へ挿入しGWを抜去、バルーンを拡張し終了。【結果】年齢は40~94歳(平均68.9歳)。全行程操作時間(内視鏡挿入から可能な限り空腸肛門側に挿入、イレウスチューブ固定まで)は8-20分、中央値16分。【手技のコツ】1:親水性GWは、常に濡らした状態を保つ。2:親水性GWは、コッヘル等による確実な保持・操作を行う。3:鉗子チャンネル内は潤滑性が不十分であるため、GW先端を出す際のアングル角度を工夫する。4:親水性GW操作を習得した助手との協調運動を行う。上記コツを習得することにより短時間にITをより深部の空腸へ進めることが可能となる。【考察】経鼻内視鏡補助下IT挿入法は幽門輪通過を鏡視下に行い、腸液やガスを能動的に吸引できるため、ITの空腸への挿入が容易になると推察される。親水性GW操作の習得することでより短時間の挿入が可能となる。【結語】経鼻内視鏡補助下IT挿入法を第一選択とするためにも、親水性GW操作のコツを習得するべきと思われる。
索引用語 経鼻内視鏡, イレウス