セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | B型急性肝炎にGianotti病を合併した1例 |
演者 | 本間 雄一(産業医科大学 第3内科) |
共同演者 | 日浦 政明(産業医科大学 第3内科), 成田 竜一(産業医科大学 第3内科), 阿部 慎太郎(産業医科大学 第3内科), 田原 章成(産業医科大学 第3内科), 原田 大(産業医科大学 第3内科) |
抄録 | 症例は45歳、男性。2008年12月29日頃より両側下肢に皮疹が出現し、次第に体幹、背部、両側上肢に皮疹の範囲が拡大したため12月31日近医を受診。アレルギー性の皮疹を疑われ経過観察されていたが、その後も皮疹の改善を認めず、2009年1月5日に同院再受診しセレスタミンを処方された。同日の血液検査にてAST 217 IU/L、ALT 111 IU/Lと肝機能障害を認めたため、1月7日精査加療目的に当院皮膚科へ紹介となった。皮疹は消退傾向にあったが、同日の血液検査でAST 549 IU/L、ALT 514 IU/Lと肝機能障害の増悪を認めたため精査加療目的に当科紹介となった。1月14日には、全身倦怠感、食欲低下を認め、AST 1808 IU/L、ALT 2718 IU/Lとさらに肝機能障害が進行し、HBs抗原 120.4S/Nと陽性であったためB型肝炎と診断し、同日精査加療目的に当科入院となった。当科入院時、全身の皮疹は消退傾向にあり、体幹、背部、下肢に淡い茶褐色の斑状色素沈着を認めるのみであった。HBc-IgM抗体は1.4 indexと極軽度の上昇を認めるのみであったが、HBe抗原202.3 S/CO、HBe抗体 0.0 %、HBc-IgG抗体は原液 96.0%、200倍希釈 16.4%であり、B型急性肝炎と診断しラミブジン300mg/日の内服にて治療を開始した。入院加療開始後、肝酵素は徐々に改善傾向を認め肝炎の改善を認め、HBe抗原、HBe抗体のseroconversionを認めた。また肝炎の改善とともに皮疹の消失を認めた。小児のB型急性肝炎にGianotti病を合併することは報告されているが、成人のB型急性肝炎に合併した報告は稀であり、文献的考察を踏まえ報告する。 |
索引用語 | Gianotti病, B型急性肝炎 |