セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
内視鏡的乳頭括約筋切開術により術前に下部胆管癌を診断し得た1例
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演者 |
金城 譲(那覇市) |
共同演者 |
仲地 紀哉(那覇市), 宮里 賢(那覇市), 豊見山 良作(那覇市), 島尻 博人(那覇市), 金城 福則(琉球大学 光学医療診療部) |
抄録 |
症例は74才女性。既往に未治療の胆石症あり。家族歴は特記事項なし。平成20年11月26日に発熱、右側腹部痛を主訴に当院受診。血液検査で肝胆道系酵素、炎症反応の上昇を認め、また腹部エコー、腹部単純CTで胆嚢内結石と胆嚢壁の軽度肥厚があったため、胆石胆嚢炎の診断にて同日入院となった。絶食・補液・抗菌薬を開始し経過を見るも、直接ビリルビン値上昇傾向が続くため、ドレナージ目的に内視鏡的経鼻胆道ドレナージ(以下ENBD)施行。明らかな総胆管結石の充満像は見られず、ENBDチューブ留置し終了した。ドレナージチューブからの胆汁細胞診はclass 2であった。その後排液は良好であり、ビリルビン値も改善傾向にあった。MRCP施行したところ、膵頭部下部で、総胆管と膵管に挟まれる位置にT1,T2強調像ともに周囲膵実質と異なる信号を示す約1cm程度の領域を認めたが、結石か腫瘍かの鑑別は困難であった。総胆管の精査(結石があった場合には排石も)目的に12月10日内視鏡的乳頭括約筋切開術(以下EST)施行。中切開程度の乳頭切開を行ったが胆汁の流出はなく、結石も肉眼的には観察されなかった。切開した部位より生検施行したところ、乳頭状の異型上皮がみられ、下部胆管癌が考えられた。12月17日膵頭十二指腸切除術施行。病理所見は中分化型管状腺癌であった。今回、我々はESTにより術前に下部胆管癌を診断し得た1例を経験したので、若干の文献を交えながら報告する。 |
索引用語 |
下部胆管癌, 内視鏡的乳頭括約筋切開術 |