セッション情報 要望演題6 「画像診断の進歩と肝癌治療の新たな展開」

タイトル

Sonazoid造影エコー法 -造影および治療支援の現状-

演者 小野 尚文(ロコメディカル江口病院)
共同演者 中下 俊哉(ロコメディカル江口病院), 江口 尚久(ロコメディカル江口病院), 高橋 宏和(佐賀大学内科), 江口 有一郎(佐賀大学内科), 水田 俊彦(佐賀大学内科)
抄録 (はじめに) Sonazoid造影エコー法が可能となり2年経過したが、いまだ特殊な検査法の域を出ていない。その一因として汎用装置で造影ができないこともあげられる。そこで、一般的な病院で購入可能である汎用装置によるSonazoid造影エコー法がどの程度描出可能であるか試みた。また肝細胞癌に対する治療支援の現状について述べる。(対象および方法) 各種画像で診断された肝腫瘍29例(肝癌21例、転移性肝癌7例、悪性リンパ腫1例)。使用装置はLOGIQ P5又はACUSON X-300、撮影モードはHarmonic B modeのPhase Inversion法(以下PI法)でMI値0.3~0.4で行った。造影エコー法は、Sonazoid(推奨の2/3量)を注入し、その後の1分間の染影過程を血管イメージング、注入10分後をクッパーイメージングとし観察し評価した。(結果) 血管イメージング:肝癌21例中19例に染影像が描出された(8cm以上の深部に認められた2例は描出不十分)。転移性肝癌7例は腫瘍全体および辺縁~周辺部の染影が、悪性リンパ腫1例は染影過程が明瞭に描出された。クッパーイメージング:腫瘍血流が描出された肝癌19例中18例は低エコーとして描出、転移性肝癌と悪性リンパ腫は低エコーに描出された。(考察および結語)最近の汎用装置にはPI法が搭載されはじめ今回試みてみた。最初は条件設定等に苦慮したが、造影後にDynamic Rangeや画像MAPの変更などが可能であり評価に有用であった。汎用装置であるため問題もあるが、高級装置でないと造影できない現状を改善できる思われる。 治療支援; Sonazoid造影エコー法が可能となり治療支援としての造影エコー下RFAも行われるようになってきた。実際に我々が行ったのは26例中5例であり、基本的には通常のBモードで行っている。しかし腫瘍が評価しずらい症例では造影エコー下でRFAを行っているが、可能な限り血管相で行っている。この造影エコー下RFAの現状についても提示したい。
索引用語 造影エコー法, 肝腫瘍