セッション情報 | シンポジウム 「ESDの治療成績向上をめざして」 |
---|---|
タイトル | 当施設における幽門輪上の胃腫瘍におけるESDの現状 |
演者 | 中武 信純(鹿児島市医師会病院 消化器内科) |
共同演者 | 宇都宮 民治(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 下川原 尚人(鹿児島市医師会病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 小牧 祐雅(鹿児島市医師会病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学), 岡江 耕二郎(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 伊東 徹(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 岩切 裕二(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 内園 均(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 山口 淳正(鹿児島市医師会病院 消化器内科), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【目的】幽門輪上に存在する胃腫瘍は、手技的な困難さから外科手術を選択する場合も多かった。しかし近年ESDの開発・普及に伴い内視鏡的一括切除も可能となってきた。今回我々は幽門輪上に存在する腫瘍に対するESDの治療法等の現状に関し報告する。【対象と方法】2005年4月~2008年3月までの期間、幽門輪上に腫瘍を認めた9例(早期胃癌5例、胃腺腫4例)を対象とした。男女比は6:3、平均年齢は63歳だった。内視鏡はGIF-260JとGIF-Q260を、またデバイスは主にITナイフとHookナイフを使用した。【結果】平均治療時間は160分、一括切除率は89%(8/9)だった。早期合併症はMallory-Weiss症候群の1例のみ、晩期合併症として1例幽門狭窄を認めバルーン拡張を行った。治療法に関しては、可能ならば反転操作で十二指腸側の処理しており、反転が不可能な場合でも、球部への進展が極僅かと思われるならば、十二指腸側から全周切開・トリミングした後に口側を処理している。しかし現在まで3例線維化等の影響で球部の切開・剥離が困難だった例があり、口側から切開・剥離した後、球部を超えた部分で切離した。うち2例は最終病理でedge(+)だったが、その後の生検でいずれも腫瘍成分は消失していた。【結論】幽門輪部腫瘍は反転操作が困難な場合ESDが難しい。様々な手技の工夫が治療成績の向上に繋がる思われる。 |
索引用語 | 幽門輪上の腫瘍, ESD |