セッション情報 | シンポジウム 「ESDの治療成績向上をめざして」 |
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タイトル | 当科における結腸・直腸病変に対するESD |
演者 | 松坂 浩史(原三信病院 消化器科) |
共同演者 | 中村 典資(原三信病院 消化器科), 高橋 誠(原三信病院 消化器科), 兼城 三由紀(原三信病院 消化器科), 瀧澤 延喜(原三信病院 消化器科), 長田 美佳子(原三信病院 消化器科), 山田 隆史(原三信病院 消化器科), 千々岩 芳春(原三信病院 消化器科), 名本 真章(北九州市立医療センター 消化器科), 菊池 陽介(きくち胃腸科内科クリニック), 河野 眞司(原三信病院 臨床病理部) |
抄録 | 一括切除された標本による精度の高い病理診断,根治度の評価を得るため,また局所の遺残,再発を防ぐため結腸・直腸病変に対しても内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が応用されるようになってきた.しかし大腸壁は薄く,管腔は狭く屈曲しており,半月ひだにまたがる病変の存在など技術的難易度が高く,長時間を要し,また穿孔を主とする偶発症の頻度も高率でありいまだ標準化された手技とは言えない. 当科においては2004年7月より結腸・直腸病変に対してもESDを導入し,2009年3月までに118病変に対し施行してきた.その成績は腫瘍長径29.7mm(4-65),標本長径33.0mm(8-77),切除時間66.3分(5-390),一括切除率90.7%(107/118)であった.偶発症に関しては術中穿孔を8.5%(10/118),後出血を5.1%(6/118)に認め,その内緊急手術を要したのは導入初期の1例(0.8%)のみであった.特に手技が確立した2007年4月以降においては穿孔率を2.1%(1/47)と極めて低く抑えることが可能であった. 当科における結腸・直腸病変に対するESDの適応,安全に治療を行うための手技の工夫,処置具の変遷 ,リスクマネージメント,トレーニング方法に関し提示する. |
索引用語 | 大腸, ESD |