セッション情報 | 研修医発表 |
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タイトル | 非A非B型肝硬変発症後23年で肝細胞癌を発症した1例 |
演者 | 島袋 活子(ハートライフ病院 消化器内科) |
共同演者 | 佐久川 廣(ハートライフ病院 消化器内科), 宮里 賢(ハートライフ病院 消化器内科), 新城 勇人(ハートライフ病院 消化器内科), 折田 均(ハートライフ病院 消化器内科), 仲吉 朝邦(ハートライフ病院 消化器内科), 宮里 稔(ハートライフ病院 消化器内科), 郷 克己(ハートライフ病院 消化器内科), 前城 達次(琉球大学病院 第一内科) |
抄録 | 【はじめに】C型肝硬変やB型肝硬変の推定発癌率はそれぞれ10年で70-80%、30-50%前後と言われている。また、肝細胞癌未発症の進行肝硬変症例においては毎年1万人以上の人が死亡しており、原因のほとんどが肝不全(22%)、食道静脈留破裂を含めた消化管出血(10%)と報告されており、長期生存例は少ない。今回我々は非B非C型肝硬変と診断後23年の経過を経て肝細胞癌を発症した症例を経験したので報告する。 【症例】88歳 女性 【主訴】特になし 【既往歴】特になし、手術歴なし、輸血歴なし、飲酒歴なし 【現病歴】1986年に非A非B型肝硬変と診断され経過観察中であった。2006年頃より肝S4に径20mm大のcystic lesionを指摘されたが、充実性腫瘍はなかった。その後定期的にエコーで経過観察されていた。2008年12月に施行された腹部エコーにてS4に辺縁halo帯を有し内部にモザイクパターンを伴う径37mm大の充実性腫瘤を指摘された。腫瘍マーカーの値はPIVKA-2 1080mAU/ml、AFP 4.1ng/mlであった。同腫瘤は腹部造影CTでは早期相で濃染し平衡相で低吸収を示し、総合的にHCCと診断した。血液検査所見はALB 2.8g/dl, T-bil 2.9mg/dl, PT 58%であり、さらに少量の腹水貯留を呈していることからChild B(score 8点)に分類され、外科的切除が困難な症例と考えられた。家族と相談の上、高齢で肝硬変も進行しており、HCCに対する積極的な治療は行わないこととした。現在特に状態に変化なく外来にて経過観察中である。今回、肝硬変診断後23年と長期間経過後に肝発癌をきたした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 肝硬変, 肝細胞癌 |