セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | C型肝硬変合併肝細胞癌に対する生体肝移植後にウイルス学的著効となった肝グラフトに生じたde novo 肝細胞癌の1例 |
演者 | 森田 和豊(九州大学大学院 消化器・総合外科) |
共同演者 | 武冨 紹信(九州大学大学院 消化器・総合外科), 副島 雄二(九州大学大学院 消化器・総合外科), 池上 徹(九州大学大学院 消化器・総合外科), 武石 一樹(九州大学大学院 消化器・総合外科), 戸島 剛男(九州大学大学院 消化器・総合外科), 梅田 健二(九州大学大学院 消化器・総合外科), 植田 茂(九州大学大学院 消化器・総合外科), 實藤 健作(九州大学大学院 消化器・総合外科), 井口 友宏(九州大学大学院 消化器・総合外科), 永田 茂行(九州大学大学院 消化器・総合外科), 杉町 圭史(九州大学大学院 消化器・総合外科), 祇園 智信(九州大学大学院 消化器・総合外科), 前原 喜彦(九州大学大学院 消化器・総合外科) |
抄録 | 【はじめに】生体肝移植後のde novo 肝細胞癌の報告はまれである。今回、我々は非代償性C型肝硬変、多発肝細胞癌 (HCC) に対する生体肝移植後に、ウイルス学的著効 (SVR) となった肝グラフトに生じたde novo HCCの1例を経験したので報告する。【症例】症例は64歳の女性で、58歳時に非代償性C型肝硬変、多発HCCに対して、30歳の長女より提供された拡大肝左葉+尾状葉グラフトによる生体肝移植を受けた。摘出肝の病理組織学的所見において、最大径2.3 cm、腫瘍個数4個の中分化~高分化型HCCを認めた。移植後C型肝炎の再発により、肝グラフトの線維化が進み、移植後2年、3年の肝生検でそれぞれF3、F4の所見であった。移植後2年よりインターフェロン治療開始し、ペグインターフェロン+リバビリン併用療法によりSVRを達成した。SVR達成後、経過良好であったが、移植後6年3ヶ月の腹部造影CTにて肝グラフトのS3にhigh-lowパターンを示す1 cmの腫瘍を認めた。HCCの診断にて、肝S3部分切除を施行した。病理組織学的所見において、腫瘍は中分化型HCC、非癌部は肝硬変の所見であった。切除されたHCCおよび非癌部、ドナーおよびレシピエントの末梢血、および移植時の摘出肝の非癌部からDNAを抽出しマイクロサテライト解析によるジェノタイピングを行ったところ、今回生じたHCCがドナー由来のde novo HCCであることが明らかになった。【まとめ】C型肝炎に対する生体肝移植後は、SVRを達成しても肝グラフトからde novo HCCが生じうる。SVR達成の有無や移植当時のHCCの有無に関わらず、厳格なフォローアップが必要である。 |
索引用語 | de novo 肝細胞癌, ウイルス学的著効 |