セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
IFNβ投与によりAFP(L3)が改善したC型慢性肝炎の1例
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演者 |
織部 淳哉(大分大学総合内科学第一) |
共同演者 |
清家 正隆(大分大学総合内科学第一), 山下 勉(大分大学総合内科学第一), 遠藤 美月(大分大学総合内科学第一), 吉松 博信(大分大学総合内科学第一) |
抄録 |
症例は71歳、女性。平成19年2月、全身倦怠感で近医を受診した際に、C型慢性肝炎と診断された。平成20年2月、症状の増悪とともにAST 113 IU/L、ALT108 IU/Lと上昇した。また、IgGが高値で、ANAも陽性でAIHの合併も疑われ、精査、加療のため当院を受診した。入院時検査所見ではWBC 3720 血小板数 9.7×104/μl、Tbil 1.7mg/dl、Alb 3.1g/dl、AST99IU/L、ALT65IU/L、γGTP169IU/L、PT92.2%、IgG 3550 mg/dl、ANA 80×、SS-A 106、ウイルスジェノタイプ2a型、HCVRNA(TaqmanPCR) 6.5 LogIU/ml、肝生検ではF2/A2であった。AFP 124ng/ml、L3 16.3%と高値であった。高齢で、血小板数も少なく、自己免疫性現象もあり、2型高ウイルス量であったが、IFNβを選択した。IFNβ6Mを8週間連投後HCVRNAは一時陰性化したが、その後再度陽性化した。AFPおよびL3も低下しため、IFNβの間欠投与をほぼ1年間行った。平成21年2月まで投与を継続して、AFPは6.3ng/ml、L3 は0%となった。インターフェロン投与中のAFPの低下については報告がみられるが、L3の低下を伴ったという報告は少ない。今回IFNβの投与により、AFP、L3ともに低下したことより、IFNβの抗腫瘍効果が発揮された可能性がある。高齢者では併用療法はその副作用のため投与継続が困難であることがある。高齢化したC型慢性肝炎ではIFN単独投与の工夫が必要とされ、今後の治療に示唆に富む症例のため、文献的考察も含め報告する。 |
索引用語 |
IFNβ, AFP |