セッション情報 研修医発表

タイトル

経肛門的直腸異物の一例

演者 近石 宣宏(浦添総合病院)
共同演者 福山 貴子(浦添総合病院), 松川 しのぶ(浦添総合病院 消化器内科), 末吉 宰(浦添総合病院 消化器内科), 大城 勝(浦添総合病院 消化器内科), 内間 庸文(浦添総合病院 消化器内科), 小橋川 嘉泉(浦添総合病院 消化器内科), 外間 雪野(浦添総合病院 消化器内科), 金城 福則(琉球大学 光学医療診療部)
抄録 【はじめに】消化管異物は日常診療の中で比較的に遭遇し、小児の玩具や老人の入れ歯まで様々なものがある。下部消化管異物の多くは誤飲によるものが多いが、直腸・肛門に異物が存在する場合は経肛門的に挿入されたものも少なくない。今回、救急外来にて軽肛門的に異物挿入を行い強い疼痛、脱出困難な症例を経験したので報告する。【症例】41歳、男性。特に既往、手術暦なし。自宅にて肛門内に異物挿入された。挿入された状況は本人が黙秘されたため不明。本人が2時間程脱出するよう試みていたが、出血が少量認められたため救急車にて来院された。肛門視診にて直径約100mmのプラスチック様物質を確認。全体像を確認しようと腹部X線撮影を行うもはっきりしなかったため腹部CT写真を施行。直腸に直線的に異物が入っていることを確認した。クスコ使用し、異物除去試みたが、本人疼痛強く抜去困難であったため、ソセゴン15mg/im、セルシン2.5mg/ivを行い鎮静・疼痛コントロールを行ったうえで再度クスコにて用手的異物抜去試みて無事異物を回収した。異物は全長30cm、直径100mmのプラスチック状の灯油入れ替え時に使用するスポイトを切ったものであった。回収後、ガストログラフィン注入造影撮影にて腸管のリークは認めず。経過観察目的にて入院となった。入院翌日CF行い直腸変化観察行うとAVより15cm付近に輪状潰瘍、さらに口側に粘膜発赤・びらんを認めた。異物接触による虚血性変化が考慮された。その後排便にて血便なし、肛門痛なく、入院後3日目のCFにて再度確認行い、瘢痕化された輪状潰瘍があり、粘膜下出血もなく退院となった。今回、我々は経肛門的直腸異物の症例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 異物, 直腸