セッション情報 一般演題

タイトル

進行・再発胃癌に対する二次化学療法の薬剤選択に関する検討

演者 楠本 哲也(国立病院機構別府医療センター 外科DELIMITER国立病院機構別府医療センター 臨床研究部)
共同演者 古賀 聡(国立病院機構別府医療センター 外科), 松島 孝充(済生会福岡総合病院 内科), 堤 敬文(国立病院機構九州医療センター 消化器外科), 池尻 公二(国立病院機構九州医療センター 消化器外科), 松浦 弘(済生会福岡総合病院 外科)
抄録 【背景と目的】進行・再発胃癌の予後は不良である。その中でS-1、CPT-11、taxane系抗癌剤は胃癌化学療法におけるkey drugsとして有用性が期待されている。当院では現在、主として1st lineとしてS-1+CDDPまたはS-1+docetaxelを、2nd lineとしてCPT-11またはtaxaneを含むレジメン(主にpaclitaxel)を施行している。2nd line以降の薬剤選択における一助とすべく、これらのレジメンの有用性を検討した。【対象と方法】2006年4月1日以降、進行・再発胃癌の診断で化学療法が導入された70例中、2nd lineでCPT-11が使用された11例、taxaneが使用された20例を対象としてこれらの奏効率、疾患制御率、無増悪生存期間(PFS)/疾患制御期間(DDC)、全生存期間(OS)ならびに平均生存期間(MST)を検討した。【結果】進行・再発胃癌70症例のMSTは363日であったが、key drugsが全て使用された19例のMSTは467日であった。2nd line CPT-11の奏効率、疾患制御率、PFS/DDC、MSTは各々18.2%, 54.6%, 171日/309日、330日;2nd line taxaneでは各々15.0%, 55.0%, 99日/324日、395日であった。2nd lineの使用薬剤がCPT-11とtaxaneでは2nd lineの奏効率、疾患制御率およびMSTにおいて差はなかったが、PFSがCPT-11使用例で延長する傾向がみられた。【考察】2nd lineはCPT-11の使用によってPFS延長が期待できるが、MSTには差がなかった。3rd lineの選択とlineの移行時期を考慮すればMST延長が得られる可能性があると考えられた。
索引用語 進行・再発胃癌, 二次化学療法