セッション情報 研修医発表

タイトル

超音波検査用ゼリーによる接触皮膚炎の1例

演者 坂元 裕一郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
共同演者 玉井 努(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 真理子(鹿児島大学大学院 皮膚疾患学講座), 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 呉 建(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 長谷川 将(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 真(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 金蔵 拓郎(鹿児島大学大学院 皮膚疾患学講座), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 患者は71歳、男性。2007年7月、前立腺癌の診断を受け、転移巣検索のために、当科で腹部超音波検査を施行した。肝内に明らかな転移巣は認めなかったが、検査後24時間後より腹部に掻痒を伴う皮疹が出現した。翌日、当院皮膚科へ紹介した。皮膚所見は腹部超音波検査時、検査用ゼリーを塗布した部位に一致した浮腫性紅斑であり、接触皮膚炎が疑われた。検査用ゼリーのパッチテストが陽性で、さらにゼリーの原料別に行った成分パッチテストで、防腐剤であるメチルパラベンが陽性であった。以上より、超音波検査用ゼリーに含まれるメチルパラベンによる接触皮膚炎と診断した。皮疹は、メチルパラベンを含まないステロイド外用薬により速やかに改善を認めた。超音波検査は、非侵襲的かつ情報量の多い検査としていまや全世界に普及している。通常、検査時にはゼリーを直接皮膚に接触させるが、超音波検査用ゼリーによる接触皮膚炎の報告は少なく、本邦では自験例を含め2例と非常に稀である。今回、若干の文献的考察を踏まえて報告する。
索引用語 超音波用ゼリー, 接触性皮膚炎