セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | PETが有用であった肝細胞癌孤立性甲状腺転移の一例 |
演者 | 戸島 剛男(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)) |
共同演者 | 武冨 紹信(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 武石 一樹(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 梅田 健二(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 森田 和豊(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 植田 茂(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 井口 友宏(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 實藤 健作(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 永田 茂行(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 杉町 圭史(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 池上 徹(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 祇園 智信(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 副島 雄二(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)), 前原 喜彦(九州大学 消化器・総合外科(第二外科)) |
抄録 | 【はじめに】肝細胞癌(HCC)の約70%は慢性C型肝炎を発生母地として発生し、その切除後にも再発をしばしば認める。その再発部位に関しては、残肝84.6%、肺5.6%、骨4.2%と肺及び骨を除く遠隔転移の頻度は極めてまれである。今回、我々はHCC術後22ヶ月後に孤立性の甲状腺転移をきたし、その診断にPETが有用であった1例を経験したので報告する。 【症例】73歳男性。肝S3に4.6cm大のHCCを認め、術前リピオドリゼーションの後に拡大肝左葉切除及び尾状葉切除術を施行した(手術時間:465分、出血量:577g)。病理診断は、中~低分化の肝細胞癌(5.3cm,vp0,vv0,va0,b1,im0,StageIII)であった。術後22ヶ月目PIVKAII 4239mAU/mLと急激に上昇したため、胸部CT、腹部CT、血管造影、骨シンチを行ったが、明らかな再発巣は認められなかった。その後もPIVKAIIが上昇するため18Fluoro-2-deoxy-D-glucose positron emission tomography(PET)を施行したところ、甲状腺左葉及び近傍のリンパ節異常集積を認め、生検にてClassVの診断であった。HCCの甲状腺転移の診断にて、HCC術後26ヶ月目に甲状腺左葉切除術+左頸部リンパ節郭清を施行した。病理診断は、中分化の肝細胞癌であった。 【まとめ】肝細胞癌術後の孤立性甲状腺転移の診断にPETが有用であった一例を経験した。文献的にはHCCの孤立性甲状腺転移の報告はなく、本症例は極めてまれな症例であった。肝細胞癌術後の肝外転移再発巣の検索にPETは有用な検査法であると考えられた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 甲状腺 |