| 共同演者 |
北田 英貴(熊本赤十字病院 消化器科), 階子 俊平(熊本赤十字病院 消化器科), 長岡 克弥(熊本赤十字病院 消化器科), 浦田 孝広(熊本赤十字病院 消化器科), 肱岡 範(熊本赤十字病院 消化器科), 吉永 秀哉(熊本赤十字病院 消化器科), 竹熊 与志(熊本赤十字病院 消化器科), 川口 哲(熊本赤十字病院 消化器科), 一二三 倫郎(熊本赤十字病院 消化器科) |
| 抄録 |
【目的】当院における早期胃癌に対するESD適応拡大病変の治療成績を適応内病変と比較し検討する。【方法】2003年1月から2008年12月までに当院でESDを行った早期胃癌396病変を対象とし、術後病理診断にて分類した。適応拡大病変は[A].分化型, pM, UL(-),>2cm:32病変、 [B].分化型, pM, UL(+), ≦3cm:33病変、[C].未分化型, pM, UL(-),≦2cm:6病変、[D].適応内病変, pM, UL(-),≦2cm:273病変であった。検討項目としては(1)一括切除率、(2)一括断端陰性切除率、(3)不完全切除理由、(4)合併症(穿孔+輸血を必要とする出血)、(5)追加外科切除の5項目とした。【結果】 (1)[A]88%(28/32),[B]84%(28/33),[C]100%(6/6),[D]99%(269/273)、(2)[A]59%(19/32),[B]58%(19/33),[C]83%(5/6),[D]92%(250/273、(4)[A]0%(0/32),[B]3%(1/33),[C]0%(0/6),[D]1%(3/273)、(5)[A]13%(4/32),[B]18%(6/33),[C]17%(1/6),[D]1%(2/273)であった。(3)に関しては[A]切除マージン不足,[B]スネアリング併用症例多く断端不明,[C]垂直断端陽性,[D]術前範囲診断の誤り,が多い理由であった。【結論】早期胃癌に対する当院のESDの方針としては未分化癌を除く適応拡大病変に対して積極的におこなっている。今回の検討にて適応拡大病変では一括断端陰性切除率は適応内病変と比較し成績は落ちるが、合併症や追加外科切除を回避できる症例も多い。そのため今後は一括断端陰性切除率を上げるために術前病変範囲診断や切除方法の工夫が必要である。 |