セッション情報 一般演題

タイトル

13C酢酸呼気検査による肝切除後の胃排泄遅延の客観的評価

演者 杉町 圭史(九州大学大学院 医学研究院 消化器・総合外科)
共同演者 武冨 紹信(九州大学大学院 医学研究院 消化器・総合外科), 副島 雄二(九州大学大学院 医学研究院 消化器・総合外科), 祇園 智信(九州大学大学院 医学研究院 消化器・総合外科), 池上 徹(九州大学大学院 医学研究院 消化器・総合外科), 秋穂 裕唯(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 徳永 紀子(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 中村 和彦(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 前原 喜彦(九州大学大学院 医学研究院 消化器・総合外科)
抄録 【背景】肝切除後に胃軸捻転、肝切離面と胃の癒着、迷走神経切断などにより胃内容排出遅延(DGE)が起こり術後のQOLが損なわれることがある。今回肝切除前後の胃排出能を客観的に評価することにより肝切除とDGEの関連を検討した。【対象・方法】2008-2009年に当科にて肝葉切除を行った12例(右肝8例、左肝4例)を対象とした。手術前および2週後に13C酢酸呼気試験法による胃排出能検査を行いピーク胃内容排出時間(tlag)、胃内容1/2量排出時間(t1/2)、50%排出時間を指標にDGEを判定した。また術後食事量、合併症などの臨床因子とアンケート(日本語版GSRS)を用いた消化器自覚症状を評価した。【結果】12例中8例にて肝切除後にtlagまたはt1/2が1.2倍以上に延長していた。年齢41歳以上(n=6)は肝切除後に有意にtlag、t1/2が延長していた(p<0.05)。左右肝切除の比較ではtlag、t1/2に有意な差はなかったが、術後アンケートでは左肝切除後が消化器症状によるQOL障害が多い傾向であった。【結論】13C呼気試験法によって術後胃排出能を客観的に評価することが可能であり肝切除後に有意に胃排泄が遅延していた。41歳以上、左肝切除後にDGEが多い傾向であった。
索引用語 胃排泄遅延, 肝切除