セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 左胃動脈分枝仮性動脈瘤の破裂による出血性胃潰瘍に動脈塞栓術が有効であった1例 |
演者 | 小林 哲平(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 | 垣内 誠也(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 井上 博人(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 長山 幸路(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 増田 淳也(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 柳本 親利(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 本田 和(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | 【症例】70歳男性。2008年10月9日朝、吐血にて近医受診。吐血の精査加療目的にて同日Y病院紹介受診。同院での緊急上部消化管内視鏡検査にて、露出血管を伴う潰瘍からの出血を認めた。エタノ-ル局注、クリッピング、HSEにて止血を試みたが出血が持続したため、精査加療目的にて同日久留米大学病院高度救命救急センター搬入となった。搬入時、バイタルサインは安定、上部消化管内視鏡検査で胃角小弯に深掘れ潰瘍を認め、潰瘍底に前医で施行されたクリッピングが多数見られた。その時点では明らかな出血を認めず、露出血管もはっきりしないため輸液、PPI静注にて経過観察した。10月10日再度上部消化管内視鏡検査施行したが、出血みられず、明らかな露出血管も認めなかった。10月14日、2時55分吐血。意識レベル低下、収縮期血圧50台、Hbが9.6 g/dlから6.0 g/dlと低下し、出血性ショックとなった。輸液、RCC(Total 8単位)、アルブミン製剤投与を行い、意識レベルの改善、収縮期血圧も90~110台に改善した。上部消化管内視鏡検査施行し、胃角部小弯の潰瘍底に動脈瘤を思わせる露出血管の拍動、その部位からの湧出性の出血を認めた。クリッピング等の内視鏡的治療を行うには危険と判断し、血管造影下の塞栓術を選択した。血管造影では、左胃動脈の分枝に仮性動脈瘤を認め、それは胃潰瘍底のクリップの部位に一致したため、この仮性動脈瘤からの出血と診断。coil embolizationによる止血術を試みた。施行中に仮性動脈瘤の再破裂を認めたため、NBCA-lipiodolにて追加塞栓を施行し止血した。10月15日、再度上部消化管内視鏡検査施行したところ、露出血管は完全に塞栓された状態で再出血はなかった。10月20日、上部内視鏡検査にて潰瘍病変は縮小し、露出血管も消失した。【結語】今回、我々は左胃動脈分枝仮性動脈瘤の破裂による出血性胃潰瘍に動脈塞栓術が有効であった1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 仮性動脈瘤, 出血性胃潰瘍 |