セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 皮膚筋炎を合併したHCCの1例 |
演者 | 溝口 資夫(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科) |
共同演者 | 上野 真一(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 久保 文武(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 迫田 雅彦(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 平田 宗嗣(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 林 知実(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 又木 雄弘(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 蔵原 弘(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 新地 洋之(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科), 夏越 祥次(鹿児島大学病院 腫瘍制御学消化器外科) |
抄録 | 皮膚筋炎は悪性腫瘍を合併しやすい皮膚疾患の1つであり、その合併頻度は20~30%とされている。胃癌、大腸癌、肺癌などの報告がみられる一方で、皮膚筋炎を合併した肝細胞癌の報告は極めて稀である。今回、皮膚筋炎を合併した肝細胞癌の1例を経験したので、文献的考察を加え報告する。症例は67歳、男性。自覚症状はなく検診にて肝腫瘍を指摘され、精査・加療目的に入院した。その入院直前より、顔面・手背の皮疹と脱力感を自覚していた。ヘリオトロープ疹やゴットロン徴候などの皮膚症状、筋電図所見および筋生検結果から、皮膚筋炎と診断された。また、外側区域肝腫瘍は肝細胞癌(単発性、多結節癒合型、径3.5cm、Stage III)と診断された。B型、C型共に肝炎ウイルスマーカーは陰性であった。PETでは明らかな他病変は認められなかった。肝外側区域切除を行い、術後4ヶ月のステロイド剤内服を行ったところ、皮膚筋炎症状は軽快し、術後10カ月目の現在も肝癌再発や皮膚筋炎症状の再燃は認められていない。皮膚筋炎と肝細胞癌との合併報告例は極めて稀ではあるが、皮膚筋炎と悪性腫瘍との合併は度々見られ、皮膚筋炎における悪性腫瘍検索の際には、肝炎ウイルス所見に関わらず肝細胞癌も念頭におく必要性はあると考えられた。 |
索引用語 | 皮膚筋炎, 悪性腫瘍の合併 |