セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 腸重積を合併した回腸炎症性線維性ポリープの一例 |
演者 | 高祖 英典(宗像医師会病院 外科) |
共同演者 | 高井 真紀(宗像医師会病院 外科), 園田 耕三(宗像医師会病院 外科), 山本 一治(宗像医師会病院 外科), 前川 宗一郎(宗像医師会病院 外科) |
抄録 | (はじめに)炎症性線維性ポリープは消化管に発生する比較的稀な良性腫瘍である。今回、我々は腸重積を合併した回腸炎症性線維性ポリープを経験したので報告する。(症例)71歳、男性。平成20年6月頃より下腹部の痛みが出現。7月23日当院内科受診。7月24日大腸内視鏡検査施行。終末回腸に約5cmの腫瘍を認め、腸重積が疑われた。7月25日、当院内科入院。同日、腹部CT検査施行し回盲部に腸重積を認め、回腸末端が上行結腸内に入り込んでいた。絶食、TPNにて、精査を行った。精査終了の後、外科転科となり、8月6日、手術施行した。終末回腸が腸重積となっており、腫瘍の先進部は上行結腸に及んでいた。ハッチンソン手技にて腸重積を整復した。腫瘍はバウヒン弁より30cm口側の回腸に位置していた。腫瘍よりそれぞれ約10cm離した部位で腸管を切離し、腫瘍を摘出した。腫瘍は有茎性の粘膜下腫瘍の形態を示し、大きさは43x33x70mmであった。先端部位は被覆粘膜の欠損を伴っており、びらん、潰瘍出血を認めた。病理組織学的所見では、線維芽細胞の増殖、毛細血管の増殖、リンパ形質細胞の浸潤、好酸球浸潤、肥満細胞の浸潤を認め炎症性線維性ポリープと診断された。術後経過は良好で術後13日目の8月19日退院の運びとなった。(まとめ)炎症性線維性ポリープは消化管にみられる良性腫瘍であり、好酸球浸潤を伴った原因不明の肉芽腫性病変である。今回、我々は腸重積を合併した回腸炎症性線維性ポリープを経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 炎症性線維性ポリープ, 腸重積 |