セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 4年間無再発生存中の肝内胆管癌の1切除例 |
演者 | 安部 智之(飯塚病院 外科) |
共同演者 | 梶山 潔(飯塚病院 外科), 調 憲(消化器外科), 播本 憲史(飯塚病院 外科), 近藤 潤也(飯塚病院 外科), 増本 陽秀(肝臓内科), 長家 尚(飯塚病院 外科) |
抄録 | 4年間無再発生存中の肝内胆管癌の1切除例【はじめに】肝内胆管癌(以下ICCと略す)では、リンパ節転移や肝内転移などが明らかな予後不良因子であると報告されている。しかしながら、術前画像検査でリンパ節転移の有無を正確に評価することは困難な場合もある。今回我々は、術前に胃小弯リンパ節腫大を認めた径9cmのICCに対して外科切除を行い、4年間無再発生存の1例を経験したので報告する。【症例】患者は55歳男性。主訴なし。1980年から軽度肝機能障害にて経過観察されていた。2005年5月に腹部エコーで肝左葉に腫瘤を指摘され、当院紹介となった。血液生化学検査では、Hb 14.6g/dl、Plt 20.9×104、 AST 43U/I、ALT 47U/I、 T-Bil 0.8mg/dl、Alb 4.1g/dl、PT 121.2%、肝障害度A、Child-Pugh分類Aであった。CEA、CA19-9は正常範囲内であった。腹部CTでは、肝左葉に辺縁不整、分葉状、内部不均一な径9.0cmの腫瘤性病変を認めた。早期相で濃染され、遅延相で全体が淡く濃染される腫瘍で、ICCと診断された。遠隔転移はなかったが、胃小弯のリンパ節腫大を認めた。リンパ節転移の可能性はあるものの確定的ではなく、肝拡大左葉切除術およびリンパ節郭清を行った。切除標本では、境界明瞭、辺縁不整、大きさ9×8.5×4cm内部白色充実性の腫瘍で、末梢型の腫瘤形成型肝内胆管癌と思われた。組織学的には中分化型腺癌であったが、リンパ節#1、3、7、8、9、12a、13aに転移を認めなかった。合併症なく、術後14日目に退院となった。現在、術後4年間無再発生存中である。【まとめ】術前にリンパ節転移の有無を正確に評価することは困難な場合もあり、明らかな肝内転移や遠隔転移のないICCに対しては、積極的な外科切除により長期生存が得られる可能性があると思われた。 |
索引用語 | 胆管癌, 長期生存 |