セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 頻回のカミソリ誤飲に対し、内視鏡下摘出術を施行した1例 |
演者 | 清水 輝久(佐世保中央病院 外科) |
共同演者 | 松村 雅人(松村クリニック), 渕上 忠史(佐世保中央病院 消化器内視鏡科), 重政 有(佐世保中央病院 外科), 梶原 啓司(佐世保中央病院 外科), 佐々木 伸文(佐世保中央病院 外科), 碇 秀樹(佐世保中央病院 外科), 國崎 忠臣(佐世保中央病院 外科) |
抄録 | 消化管異物の中で、鋭利な異物は穿孔や腸管粘膜損傷の危険性が高く、可及的に摘除する必要がある。最近我々は、頻回にカミソリをはじめ種々のものを誤飲したが、内視鏡下に摘出できた症例を経験したので報告する。症例は35歳男性。うつ病で精神科病院に入院加療中。自傷行為もあり、胸壁にはケロイド線状の自傷行為瘢痕多数あり。1.3月9日14時頃、カミソリの替え刃を飲用。腹部レ線で、胃内にカミソリを確認され、当院に紹介される。透視下で胃内残渣の中のカミソリの替え刃を把持鉗子にて確保後、ゴムサック装着、オーバーチューブで食道粘膜を保護しながら、経口的に摘出した。2.6月10日21時頃、カミソリの替え刃を二つ折りにして飲用。行為後、Drに報告したため、当院に紹介される。胸部レ線で、食道中部に二つ折れの替え刃像を認め、内視鏡下に摘出した。3.6月12日0時頃、再びカミソリの替え刃を飲用し紹介される。同様に異物鉗子で把持して、摘出。4.6月12日22時30分頃、再びカミソリ替え刃を飲用し、当院受診。腹部レ線で、二つ折れのカミソリ像を認める。今回は胃内視鏡施行するも、胃・十二指腸下行脚までは異物認めず。トライツ靱帯を越えたものと思われ、保存的に経過観察。経時的に移動が認められ、最終的には肛門より排泄された。5.8月12日午後、今度はキーホルダーのリングを飲んだとのことで来院。内視鏡下に摘除後帰院。6.8月22日深夜、使い捨てライターの金属部分を飲んで来院。内視鏡下にEC-junctionに引っ掛かっていたライター頭部の金属部分を摘出した。7.翌年6月29日1時過ぎ、カミソリの替え刃を飲用して、自己申告あって、当院紹介される。内視鏡下に胃内にあった異物を摘除後、帰院。その後4回再三にわたりカミソリ刃飲用。これら、いずれも内視鏡下に損傷なく摘除できた。以上の病歴の如く、9回のカミソリ替え刃の飲用歴あり、1回はトライツ以下に流出したが、8回は内視鏡下にゴムサック装着、オーバーチューブ挿入下で、安全に摘出可能であった。このような精神神経疾患の患者に対しては、安全に摘除するばかりでなく、反復防止の対策と精神的なケアが重要である。 |
索引用語 | 異物誤飲, 内視鏡下摘出 |