セッション情報 一般演題

タイトル

メッケル憩室原発と考えられた腺癌の一例

演者 中澤 潤一(鹿児島市立病院 消化器科)
共同演者 大重 彰彦(鹿児島市立病院 消化器科), 吉永 英希(鹿児島市立病院 消化器科), 久保園 高明(鹿児島市立病院 消化器科), 桜井 一宏(鹿児島市立病院 消化器科), 堀 剛(鹿児島市立病院 消化器科), 美園 俊明(鹿児島市立病院 消化器科), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院 消化器疾患生活習慣病学)
抄録 今回、我々はメッケル憩室の異所性胃粘膜原発と考えられた腺癌の一例を経験したので報告する。症例は44歳男性。平成20年9月排便排尿困難感のため近医を受診し、当科を紹介され受診した。腹部超音波検査にて膀胱と直腸の間に80mmの腫瘤を認めた。腫瘍マーカーはCEA が18.6mg/dlと上昇していた。S状結腸鏡では、異常は認めなかった。CTでは精嚢由来の腫瘍を疑われ、当院泌尿器科に入院し、針生検施行されたが、悪性細胞は認めなかった。平成20年10月腫瘍摘出術予定で手術を施行されたが腹腔内には腸間膜、腹膜に播種性病変あり、主腫瘤は膀胱後面、直腸前面に発育しており、腫瘍全体の摘出は困難で、腹膜播種あり、根治性は得られないと判断され、腹腔内に突出したのみ腫瘤は切除された。病理組織検査にてメッケル憩室の異所性胃粘膜より発生した腺癌と診断された。平成20年11月よりタキソール+TS-1による化学療法を開始した。3クール終了し評価を行ったが、腫瘍マーカーCEAは化学療法前からと減少したが、CTでは残存した腫瘤は増大していた。また左水腎症を来たし、左腎瘻形成が施行された。他医にて化学療法のレジメン変更し、治療を継続する予定で転院となった。転院直前の平成21年1月末より腸閉塞症状が出現し、急速に全身状態が悪化した。中心静脈栄養、イレウスチューブ挿入など保存的に加療されたが平成21年2月永眠された。
索引用語 メッケル憩室, 癌