セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 多発性表在食道癌の全周 / 亜全周切除ESD後狭窄予防にバルーン拡張術が有用であった一例 |
演者 | 荻原 久美(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科) |
共同演者 | 法村 大輔(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科), 山口 直之(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科DELIMITER長崎大学医学部歯学部付属病院光学医療診療部), 磯本 一(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科DELIMITER長崎大学医学部歯学部付属病院光学医療診療部), 大仁田 賢(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科), 宿輪 三郎(三佼会宮崎病院), 水田 陽平(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学医学部歯学部附属病院消化器内科), 河野 茂(長崎大学医学部歯学部附属病院第2内科) |
抄録 | 表在食道癌に対する ( Endoscopic submucosal dissection; ESD ) は近年保険適応となり、従来の内視鏡的粘膜切除術 ( Endoscopic mucosal resection;以下、EMR ) に比較して、広範囲病変であっても一括切除が可能となった。食道癌診断・治療ガイドラインでは、表在食道癌の内視鏡治療適応において、広範囲切除後の術後狭窄が問題の一つとされている。我々は、内視鏡的バルーン拡張術( Endoscopic balloon dilation; EBD )により、広範囲切除による術後食道狭窄のコントロールが可能であった1症例を経験した。本例の治療経過は表在食道癌に対するESD治療適応に関して示唆を与える症例と考えられたため報告する。症例は73歳男性。2008年6月検診目的で上部消化管内視鏡を受け、多発性表在食道癌を指摘された。2008年7月当科紹介となり、上部消化管内視鏡検査を再検し、下部食道に長径30mm、4 / 5周性の0-IIb病変、中部食道に長径15mm大の0-IIb病変を認めた。ESD適応と判断したため、ESD目的で入院となった。下部食道の1病変目に対しESDを施行したところ、全周切除となった。全周切除後の狭窄が必発と考えられたため、術後4日目よりEBDを行い、2回 / 週の頻度で6週間継続したところ、狭窄のコントロールが可能であった。本例の経験より、食道ESD後狭窄の予防のためには、術後早期より拡張術を開始し、2回 / 週の頻度で、少なくとも6週間以上継続することが重要であると考えられた。本例1例のみでなく、症例集積により、EBDの明確な回数、頻度、期間の設定が重要である。 |
索引用語 | 表在食道癌, 内視鏡的粘膜下層切開剝離術 |