セッション情報 一般演題

タイトル

2種類のペグインターフェロン製剤間で特異なウイルス動態を示したC型慢性肝炎の一例

演者 佐藤  丈顕(国立病院機構 小倉医療センター 肝臓病センター)
共同演者 高尾 信一郎(国立病院機構 小倉医療センター 肝臓病センター), 古賀 荒太郎(国立病院機構 小倉医療センター 肝臓病センター), 國吉 政美(国立病院機構 小倉医療センター 肝臓病センター)
抄録 C型慢性肝炎のペグインターフェロン、リバビリン併用療法において、毎週ウイルス量を測定しながら、インターフェロン製剤をPEG-IFNα-2b→PEG-IFNα-2a→PEG-IFNα-2bと変更させて治療したところ特異なウイルス動態を示した一例を経験したので報告する。 症例は44歳、男性。ウイルス遺伝子型は1bであった。はじめにPEG-IFNα-2b+リバビリンにて治療を開始したところ、ウイルス量(LOGIU/ml,TAQ-MAN法)は6.4(投与開始前)、6.0(1週目)、5.5(2週目)、5.3(3週目)、4.9(4週目)、4.4(5週目)、3.7(6週目)、3.4(7週目)、3.2(8週目)であり、8週目までのPEG-IFNα-2b 1本投与当たりのウイルス量の平均低下量は0.4であった。このままでは、12週目までに1.7を下回ること(アンプリコア定性を基準とした場合のEVR)は困難であると考えて、9本目からインターフェロン製剤をPEG-IFNα-2aへ変更した。すると、9週目以降のウイルス量は3.5(9週目)、3.6(10週目)、3.9(11週目)、4.2(12週目)と逆に上昇した。そこで、13本目からはPEG-IFNα-2bに戻したが、その後のウイルス量は3.4(13週目)、2.2(14週目)、1.4(15週目)、<1.2(16週目)、<1.2(17週目)、検出せず(18週目)、検出せず(19週目)と大きく低下した。12週から15週までのPEG-IFNα-2b 1本投与当たりのウイルス量の低下量は0.93であった。本症例PEG-IFNα-2bとPEG-IFNα-2aで大きくウイルス反応性が違っている点とPEG-IFNα-2b再開後のウイルス反応性が当初のウイルス反応性よりも改善している点で興味ある一例である。
索引用語 インターフェロン, C型肝炎