共同演者 |
紙屋 康之(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 本原 利彦(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 工藤 洋子(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 福林 光太郎(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 葦原 浩(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 横峰 和典(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 田中 秀紀(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 永濱 裕康(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 桜井 宏一(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 田中 基彦(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科), 佐々木 裕(熊本大学 医学部 附属病院 消化器内科) |
抄録 |
症例は54歳、男性。1988年にB型慢性肝炎を指摘されたが、自然経過で肝炎は鎮静化した。2002年6月超音波検査で肝S5/8に17mm大の肝細胞癌を認め、当科でRFAによる治療を施行した。2003年8月RFA治療部位の頭側に再発を認め、当院消化器外科にてS5亜区域切除を、2005年11月にS1には再発を認め、当院消化器外科で右側尾状葉切除を施行した。その後、多発再発を認め2006年、2007年、2008年にTACEを行った。2009年3月に発熱と黄疸認め外来受診し、血液検査にてT-Bil:10mg/dl, AST:105U/L, ALT:204U/L,γ-GTP:224U/L, ALP:657U/L, HBV-DNA<2.6logcopy/mlと肝胆道系酵素の上昇、加えて PIVKA-IIが3332mAU/mlと上昇していた。超音波検査では左葉の肝内胆管の拡張あり、翌々日に入院となった。入院後に施行したMRCPでは肝門部に陰影欠損を認め、同部位はMRIにてT2W1にて低信号、T1W1にて高信号であったため、血腫による通過障害が疑われた。さらに拡散強調画像では肝右葉断端の再発が疑われる所見を認めた。ERCPでは十二指腸乳頭部から出血を認め、肝細胞癌の胆管侵襲と診断した。肝細胞癌の胆管侵襲のための胆道出血による閉塞性黄疸はまれであり、文献的考察を加えて報告する。 |