セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
重症急性膵炎の予後因子の再検討
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演者 |
松尾 享(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学) |
共同演者 |
藤 花菜(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 立花 雄一(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 藤森 尚(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 中村 太一(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 大野 隆真(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 河邉 顕(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 五十嵐 久人(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 伊藤 鉄英(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学), 高柳 涼一(九州大学大学院 医学研究院 病態制御内科学) |
抄録 |
【目的】2008年4月から急性膵炎の重症度判定基準が改訂され、重症度判定項目数が整理・削減され、中等症が廃止された。また造影CT grade単独でも重症度判定が可能となった。新しい重症度判定基準(以下、新基準)が改訂前の重症度判定基準(以下、旧基準)と同程度に致命率と高い相関を示すことは既に検証済みであるが、現在重症急性膵炎の死亡率は大幅に低下しており、致命率以外のend pointを用いた予後因子の検討も必要であると思われる。我々は当科における重症急性膵炎症例をもとに、入院日数をend pointとした新基準、旧基準および各重症度判定項目の有用性を検討した。【対象】2008年3月から2009年3月までに当科に入院し、新旧基準のいずれかで重症急性膵炎と診断された10症例を対象とした。【背景】男性9例,女性1例、平均年齢は50歳、成因はアルコール8例、高脂血症1例、胆石1例であった。6例に動注療法、3例に持続血液濾過透析、6例に経腸栄養を行い、5例が人工呼吸器管理を必要とした。重症度は原則として発症48時間以内に判定し、旧基準ではStage2が5例, Stage3が3例, Stage4が2例であった。新基準の予後因子の平均は5.2点、造影CT gradeはスコア3が5例, スコア2が5例であった。入院日数は平均60.3日、ICU在室日数は平均9.5日、食事開始までの日数は平均42日であった。なお救命率は100%であった。【結果】新基準の予後因子および旧基準の重症度スコアは高い相関を示し、単変量解析でいずれも入院日数と高い相関を示した。新基準の予後因子の単項目の中ではBE, BUN, Cr, LDHがいずれも入院期間との強い関連を示し、特にCrとの相関は高かった。【結論】新基準は旧基準と比較して簡便であるが、致命率だけでなく入院期間の予測にも有用であり、予後因子の単項目の中ではCrの重要性が示唆された。 |
索引用語 |
急性膵炎, 予後因子 |