セッション情報 | 要望演題2 「早期胃癌の治療方針 -ESD・腹腔鏡手術の適応と限界-」 |
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タイトル | 早期胃癌のESD適応内、適応拡大病変に対する術前診断の限界 |
演者 | 隅田 頼信(九州大学病態制御内科) |
共同演者 | 山田 真梨子(九州大学病態制御内科), 徳永 紀子(九州大学病態制御内科), 井星 陽一郎(九州大学病態制御内科), 麻生 暁(九州大学病態制御内科), 村尾 寛之(九州大学病態制御内科), 荻野 治栄(九州大学病態制御内科), 金山 兼司(九州大学病態制御内科), 板場 壮一(九州大学病態制御内科), 秋穂 裕唯(九州大学病態制御内科), 中村 和彦(九州大学病態制御内科), 高柳 涼一(九州大学病態制御内科), 後藤 綾子(九州大学形態機能病理学) |
抄録 | 【目的】「胃癌治療ガイドライン」のESD適応は、最終病理診断における病変の深達度・大きさ・組織型・潰瘍合併の有無に規定されるため、しばしば術前診断との乖離を経験する。今回、術前にESD適応病変(適応内+適応拡大)と診断して治療した症例の、術前後の診断一致率を検討し、その不一致症例の原因を考察した。【方法】対象は2002年1月から2009年3月までに当施設で胃癌に対してESDを施行した180症例のうち、適応内病変、適応拡大病変と術前診断した各々110、64病変。切除病変は病理学的に十分検討され、病理組織学的診断に従い適応内、適応拡大、適応外病変のいずれかに分類され、術前後の一致率を検討した。適応拡大病変は、深達度M,2cm<,分化型,UL(-)、深達度M,3cm以下,分化型,UL(+)、深達度SM1,UL(-),3cm以下,分化型とした。【成績】術前にESD適応(適応内+適応拡大)、適応内、適応拡大と診断した病変の術前後での診断一致率は各々86.8%(151/174)、94.5%(104/110)、73.4%(47/64)であった。術前診断で適応内病変としたうち、術後は3例が適応拡大、3例が適応外病変と診断された。術前診断で適応拡大としたうち17例が適応外病変となり、focal、あるいはmultifocalにSMに浸潤を示すものが11例、脈管侵襲陽性であったものが9例(ly1:5例、ly2:3例、v1:1例)存在した(重複症例あり)。適応内から適応拡大病変となった症例は3例で全例UL(+)であり術前診断困難であった。【結論】適応拡大病変では適応内病変に比べて治療前後の診断一致率が低かった。しかし、その原因を検討したところ、テクニカルに解決困難な問題が多く含まれており、術前診断の限界と考えられた。 |
索引用語 | ESD, 術前診断 |