セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 当院高度救命救急センターに搬入となった出血性胃十二指腸潰瘍25例の特徴 |
演者 | 永田 務(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
共同演者 | 大内 彬弘(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 波多野 充明(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 井上 博人(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 白土 睦人(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 中野 聖士(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 増田 淳也(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 長山 幸路(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 柳本 親利(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 本田 和(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門DELIMITER久留米大学病院高度救命救急センター), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | 【目的】当院救命救急センターに搬入された出血性胃十二指腸潰瘍の症例の特徴を明らかにすること。【症例】2007年1月から2008年12月に久留米大学高度救命救急センターに搬入となった出血性胃十二指腸潰瘍25例。【結果】出血性胃十二指腸潰瘍25例のうち胃潰瘍19例、胃びらん1例、十二指腸潰瘍5例。平均年齢は70.0歳(35-95歳)、男性15人、女性10人。NSAIDS服用3名(不明3人)、アスピリンの服用6人(不明3人)、NSAIDS、抗血小板剤または抗凝固剤の服用は10人。ピロリ菌は10人で陽性(不明5人)。胃十二指腸潰瘍の既往は10人に見られた。タバコは9人、飲酒は2人。併存疾患としては、高血圧10人、心疾患11人と循環器疾患の合併が多かった。糖尿病6人、高度の腎不全5人(うち3人は透析中)。発症時の吐下血の有無では、吐血のみが8人、下血のみが10人、吐血下血ともに見られたのが4人で、吐下血が見られなかったのもの2人見られた。全例に輸血が行われ、平均RCC 平均7.12単位(2-30単位)が輸血されていた。最低Hb値は平均5.98g/dl(3.0-10.4g/dl)であった。出血性ショックを呈したものは6人であった。転帰は、軽快24人(転院14人、転科2人、自宅退院8人)、死亡1人であった。出血性胃潰瘍の部位は、体中部が9人、体下部6人(うち胃角部4人)、体上部3人、穹隆部2人、幽門部2人、また後壁15人、小弯12人、前壁2人、大弯1人であった。出血性十二指腸は球部前壁3人後壁2人であった。4人で潰瘍が多発しており、Dieulafoy潰瘍が3人で見られた。輸血量4単位以下の症例(10人)と6単位以上の症例(15人)に分けるとNSAIDS、アスピリン内服に差はなかったが、ピロリ菌陽性と胃十二指腸潰瘍の既往は後者で多い傾向にあった。また後者では輸血量が多く、最低Hb値が低く、ショックを呈している人数が多い傾向が見られた。【結語】NSAIDSやアスピリンの服用、ピロリ菌陽性、胃十二指腸潰瘍の既往、循環器疾患の症例が多く見られた。重症例でピロリ菌陽性と胃十二指腸潰瘍の既往が多く、胃十二指腸潰瘍の既往があり、ピロリ菌陽性である場合は積極的な除菌による予防を検討する必要があると考えられた。 |
索引用語 | 出血性胃十二指腸潰瘍, ピロリ菌 |