セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
禁酒によって消失した多発性肝腫瘤の1例
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演者 |
堤 真吾(琉球大学 医学部 病態消化器外科学分野) |
共同演者 |
長濱 正吉(琉球大学 医学部 病態消化器外科学分野), 白石 祐之(琉球大学 医学部 病態消化器外科学分野), 西巻 正(琉球大学 医学部 病態消化器外科学分野) |
抄録 |
【はじめに】アルコール性肝硬変は急性増悪時に肝腫瘤を認め、画像診断上では肝細胞癌(以下、HCC)と鑑別困難な症例がある。今回私たちアルコール性肝硬変に多発性肝腫瘤を指摘され、禁酒によって消失した症例を経験したので報告する。【症例】40歳代、女性。30歳代からアルコール性肝障害を指摘されていたが放置していた。2006年6月下旬、全身性浮腫、労作時息切れを主訴に近医を受診した。腹部CTで肝臓に早期濃染される多発腫瘤を指摘されHCCが疑われた。当科へ紹介受診し精査加療目的で入院となった。肝移植なども検討されたがミラノ基準を逸脱していたため適応なしと判断された。抗癌剤(5-FU/CDDP)動注療法を開始したが、ポートトラブルを併発し十分な化学療法は施行されていない。その後は外来を自己中断していた。2008年11月中旬に近医の緩和ケアから治療内容の問合があり、腹部CTで多発性肝腫瘍が消失していた。【結語】禁酒によって多発性肝腫瘤が消失したアルコール性肝硬変の1例を経験した。アルコール性肝硬変患者の増悪期には、HCC様の画像所見を呈することがあり、診断・治療は慎重にすべきだと考えられた。 |
索引用語 |
アルコール性肝硬変, 多発肝腫瘤 |