| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 内視鏡的に止血しえた十二指腸水平部憩室出血の1例 |
| 演者 | 橋口 一利(医療法人社団シマダ 嶋田病院 消化器内科) |
| 共同演者 | |
| 抄録 | 症例は50代女性。ふらつきとタール便を主訴に救急搬入。Hb6.9g/dlと貧血を認め、上部消化管出血の診断で上部消化管内視鏡検査施行。十二指腸下行脚遠位で出血を認めたが、出血源を確認できなかった。腹部CTでは、十二指腸水平部に血腫様の構造物を認めた。再度、内視鏡を施行しPushで可能な限り遠位まで観察し、十二指腸水平部に憩室様の構造物を認め、憩室内からの出血を認めたが、憩室内にスコーブを挿入できず出血源を同定できなかったため、クリップにて憩室の開口部を閉鎖するようにして止血術施行。上部消化管造影では、クリップの部位に憩室を認め、水平部の憩室出血と診断した。止血術後は、再出血なく経過した。 十二指腸憩室は、消化管憩室のなかで大腸憩室についで発生頻度が多く、上部消化管造影施行例の5.3~7.0%に認められる。好発部位は下行部内側が81%を占め、本例のように水平部に発生する頻度は18%である。十二指腸憩室からの出血はまれな病態であり、上部消化管出血のうち0.07%の頻度といわれる。今回我々は、比較的まれな十二指腸憩室出血に対して、内視鏡的に止血しえた1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
| 索引用語 | 十二指腸憩室, 出血 |