セッション情報 | 要望演題6 「画像診断の進歩と肝癌治療の新たな展開」 |
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タイトル | Open MRI下リアルタイム・バーチャルリアリティ・ナビゲーションシステムの肝細胞癌局所経皮治療における有用性の検討 |
演者 | 富川 盛雅(九州大学 未来医用情報応用学) |
共同演者 | 洪 在成(九州大学先端融合医療レドックスナビ研究拠点), 小西 晃造(九州大学 未来医用情報応用学), 東 真弓(九州大学 未来医用情報応用学), 前田 貴司(国立病院福岡東医療センター外科), 杉町 圭史(九州大学消化器・総合外科), 祇園 智信(九州大学消化器・総合外科), 武冨 紹信(九州大学消化器・総合外科), 古藤 和浩(九州大学病態制御内科), 家入 里志(九州大学病院先端医工学診療部), 田上 和夫(九州大学病院先端医工学診療部), 前原 喜彦(九州大学消化器・総合外科), 橋爪 誠(九州大学先端医療医学) |
抄録 | 【目的】Open MRI下リアルタイム・バーチャルリアリティ・ナビゲーションシステムの肝細胞癌局所経皮治療における有用性を検討した。【方法】2005年10月から2009年3月までの肝細胞癌43例。初発10例、再発33例。平均70.2歳、男性24例、女性19例。腫瘍径は平均2.1cm。九州大学病院Open MRI治療室内に赤外線位置センサーとナビゲーション用コンピュータ(3Dスライサー)を設置。治療直前に得られたMR画像座標と実空間座標を、3Dスライサー上で一致させた。超音波プローブをリアルタイムに追尾し、プローブ・穿刺針の位置と方向、腫瘍・脈管との位置関係を、バーチャルリアリティ画面上にリアルタイムに提示し、局所経皮治療を行った。治療直後のMRI撮影にて治療効果を確認し、不十分であれば、その場で追加治療を行った。【成績】RFA(n=28)、PEIT(n=14)、生検(n=1)を行った。全例においてプローブ・穿刺針の位置と方向、腫瘍・脈管との位置関係が直観的に把握でき、誤差は2-3mmであった。特に、超音波ガイドのみでは十分に描出されなかった腫瘍に対しても本システムにより穿刺が容易となった。治療効果不十分であった5例に対し、その場で追加治療を行った。重篤な合併症は認めなかった。肝細胞癌に対しRFAを行った21例のうち2例(9.5%)に局所再発を認めた(平均観察期間226日)。【結論】本システムにより、肝細胞癌の奏効率やQOLのさらなる向上を目指した低侵襲局所治療の適応が拡大できる可能性が示唆された。 |
索引用語 | 肝細胞癌, Open MRI |